2019年感謝祭セールのオンライン売上は現在21億ドル、前年比20%増

大手ソーシャルネットワークのサービスダウンが相次ぎ、 実店舗の多くが閉店し、多くの人々が仕事を休む感謝祭(サンクスギビングデー)の米国時間の11月28日、バーゲンハンターたちはオンラインに集結してホリデーショッピングをスタートした。

Adobe(アドビ)によると太平洋時間午後2時現在、21億ドルがオンラインショッピングで消費されている。昨年同時期より20.2%多い。この数字は時間を追うごとに売上が伸びていることを示している。その前の午前10時の発表では、売上は4.7億ドル、前年比14.5%増だった。総合的に見て、売上パターンは今日の売上げを44億ドルとしてするAdobeの 予測に概ね沿っている。

EコマースバックエンドサービスのShopifyでは、1分当たり4500件の注文があり、毎分40万ドル近くが消費されたと報告(ライブ更新中)している。その中で全売上の66%はを占めたモバイル機器がアパレルとアクセサリーとともに人気のカテゴリーであり、都市別ではニューヨークが一番売れている。平均購買価格は78.66ドルだ。

Adobe Analyticsは米国のトップ100小売店中80店舗の売上をリアルタイムで追跡しており、ホリデーセール期間中におよそ5500万種類のSKU(在庫管理単位)と1兆件の注文をカバーする。一方Shopifyは、同社のAPIを利用しているさまざまなオンライン小売店のデータを利用している。

かつてはブラックフライデー(感謝祭翌日)がホリデーセールの初日と考えられていたが、感謝祭当日(物理的店舗のほとんどが閉店)を家で過ごす消費者たちによるネットショップでの買い物が増えたことで勢いが増した。今年の感謝祭は2018年の11月22日より1週間遅いので、セールス期間は圧縮され、熱狂度も高くなりそうだ。

TechCrunchのSarah Perez(サラ・ペレス)が昨日の記事で指摘したように、今年は多くのショップがブラックフライデーセールスを早めに仕掛けており、11月に入ってから本日28日までに530億ドルが消費されている。今年のホリデーセール全体の売上は1440億ドル近くになると予測されている。

ちなみに、アドビの分析による2018年のオンラインセールスは37億ドルだった。同社によると、今月はすでに530億ドルの売上を記録しているが、そのうちの27日間で10億ドル以上だったそうだ。20億ドルを超えた日は8日あり、11月27日は29億ドルだった。これは前年比22%増であり、ホリデーショッピングの期間を伸ばすためにスタートを最大限に早める小売店の戦略が功を奏したといえる。もう1つ興味深い傾向は、今月182億ドルの購入がスマートフォンから行われたことで、昨年より49.5%増えている。

「本日までの好調なオンライン売上は、ホリデーショッピングがこれまでになく早く始まっていることを示唆している。感謝祭前日にパソコンなどの人気商品が大きく値引きされるなど、今シーズンの目玉商品の多くがすでに出回っている。このことがオンライン売上の著しい伸び(前年比16.1%増)につながっている。小売店が見極めるべき重要な点は、早めのディスカウントが果たして全体売上の増加につながるのか、それとも消費者にホリデー予算を早めに使い切らせるだけなのかだ」とアドビの消費者製品・プラットフォーム担当副社長であるJason Woosley(ジェイソン・ウーズリー)氏は指摘した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

米国のオンラインホリデーショッピングが11月に5.5兆円超え

今年はホリデーショッピングシーズンが短いことを受けて、米国の小売業者は例年より早くブラックフライデーのセールを開始した。こうした取り組みは功を奏したようだ。Adobe Analytics(アドビ・アナリスティクス)が今朝発表した新たなeコマースデータによると、米国の消費者は今年11月1〜26日にオンラインで501億ドル(約5兆5000億円)を費やした。これは前年同期比15.8%増だ。

今年のサンクスギビング(感謝祭)は11月28日で、昨年の11月22日より1週間遅い。つまり、小売業者にとってサンクスギビング後のセールが6日少ないことを意味する。この状況は2013年と同じで、その際は配達で深刻な混乱が生じた。失われたショッピングの時間を取り戻すべく(そして2013年のときのような問題を繰り返さないために)、小売業者はセールを1週間早く開始した。

たとえばAmazon(アマゾン)はブラックフライデーのセールを11月22日の週に開始した。Walmart(ウォルマート)は11月22日に始めたプレ・ブラックフライデーセールに加えて、ウェブサイトWalmart.comでのBuy Nowを通じてセールを開始した。Target(ターゲット)はShiptの同日ショッピングサービスをアプリに統合し、プレビューセールや週末のお買い得を展開。そして11月27日、アーリーアクセスセールをスタートさせた。他の小売業者も同様の動きを見せている。

しかし消費者はこうしたブラックフライデー前のセールを待たずして買い物を始めたようだ。米国の小売トップ100社のうち80社のオンライン取引を追跡しているAdobe Analyticsによると、11月1〜26日までの各日のオンライン売上額は10億ドル(約1100億円)を超えた。うち7日はそれぞれ20億ドル(約2200億円)を超え、本格的なショッピングシーズン前に売上が20億ドルを超える日が複数あったのは今年が初めてだ。

そして今朝の時点で、2億4000万ドル(約263億円)がオンラインショッピングに費やされ、これは前年比19.3%増だ。終日の売上は順調に29億ドル(約3200億円)に達すると予想される。

このデータに基づき、Adobe Analyticsはホリデーショッピングフルシーズン(11〜12月)期間中のオンライン消費額が1437億ドル(約15兆7000億円)に達するとの先の予想は正確だと考えている。この数字は、前年比14.1%増とのことだ。加えて、サンクスギビング、ブラックフライデー、サイバーマンデーの3大ショッピングデーではさらに伸びるとみている。

サンクスギビングデーの売上は前年比19.7%増の44億ドル(約4800億円)に、ブラックフライデーは同20.5%増の75億ドル(約8200億円)に、サイバーマンデーは史上最多となる19.1%増の94億ドル(約1兆300億円)に達すると予想されている。

Adobe Analyticsはまた、eコマース売上の34.3%がスマホ経由になるとみている。これは前年比24.2%の伸びだ。App Annieのモバイルショッピング予想では、モバイル経由の買い物客は史上最多となり、ブラックフライデーとサイバーマンデーの週にモバイルショッピングに費やされる時間は前年比で25%増える。このホリデーシーズンに全ショッピングサイトで費やされる時間は、中国を除く全世界で22億時間となると見込む。

その他、特筆すべきトレンドとして「オンラインで買って実在店舗でピックアップ」の増加が挙げられる。このスタイルの売上は昨年より27%多くなる見込みだ。加えて、電子メールによる販促が全オンライン売上の16.5%を占め、これは前年から10ポイントのアップだ。検索連動型広告は売上の23.7%を占める一方で、ソーシャルメディアはわずか2.8%にとどまる。

商品に関しては、AppleのAirPods、Appleのラップトップ、Samsung(サムスン)とLGのテレビ、Frozen 2のおもちゃ、L.O.L Surprise Dolls、NERFのおもちゃ、Pikmi Pops、 Fortnite(フォートナイト)のおもちゃ、そしてPokemon Sword/ShieldやJedi Fallen Order、Madden 20といったゲームが売れ筋のようだ。

「ショッピングシーズンが短いこと、そして小売業者がセールを早く開始したことで、ホリデーの割引はサンクスギビング前に広く展開されている」とAdobeでコマース製品・プラットフォームを担当するJason Woosley(ジェイソン・ウースレイ)副社長は話した。「テレビひとつとっても、客は昨日の平均割引率17.5%の2倍のディスカウントを目の当たりにしている。夕食後に手早くオンラインショッピングをしようとスマホを手にする消費者は、昨年の今頃よりもさらにお得なディールを見つけるはずだ」と付け加えた。

画像クレジット: d8nn / Shutterstock

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(翻訳:Mizoguchi)