二輪ライドシェアの元社員が電動二輪車のマーケットプレイス「Ridepanda」を米国に開設

Chinmay Malaviya(チンメイ・マラヴィヤ)氏とCharlie Depman(チャーリー・デプマン)氏は、Bird(バード)やLime(ライム)、Scoot(スクート)などの会社で働いてきたことで、離陸したばかりのシェアードマイクロモビリティー業界の中心に自分たちがいることを認識した。二人はベンチャー資金の調達、急速に伸びる需要、製品の欠陥や規制による障壁への対応という、ジェットコースターのような生活を体験した。その真っ最中に、二人は業界の転換とチャンスに気づいた。

「私たちは立場を生かし、モビリティーで大きな変化が起きていたことを見つけました。それは個人所有の問題です」とマラヴィヤ氏が先月のインタビューでTechCrunchに話した。「利用者は電動スクーターや電動アシスト自転車や電動モペッドを自分で持ちたいと思っていたのです」。

LinkedInで知り合った両氏は、Eバイク(電動アシスト自転車)や電動モペッド、電動スクーターを探して吟味し、購入するためには、Google(グーグル)やAmazon(アマゾン)で検索する以上にいい方法がなかったことに目をつけた。そして、軽電動乗り物のためのオンラインマーケットプレイス「Ridepanda」(ライドパンダ)が生まれた。

二人を「light electric vehicle」(軽電動乗り物)のエバンジェリストと呼んでも間違いはないだろう。General CatalystおよびWill Smith(ウィル・スミス)氏のDreamers Fundから金額非公開のシード資金を調達したRidepandaを、電動アシスト自転車、電動スクーター、電動モペッドをもっと多くの人の手にもたらすというミッションを達成する最善の方法だと考えている。

「小さくて静かでエコでしかもずっと楽しい乗り物を使えるようにすることで、もっと幸せで効率的な町をつくることが私たちの願いです」とマラヴィヤ氏は言う。軽電動乗り物は、ほとんどが5マイル(8km)以下と言われている人々の移動に特に適していると同氏は付け加えた。

2020年始めに二人が立ち上げ最近ベールを脱いだスタートアップは、ワンストップ「Eライド」ショップとして、電動乗り物の専門家による評価やカスタマイゼーション情報などを提供し、購入者が最適の製品を見つける手助けをすることを目的にしている。Ridepandaは、9月にウェブサイトを改修し、ユーザーが自分にあった製品をクイズ形式で見つける「ridefinder quiz」(ライドファインダー・クイズ)やその他のサポートサービスを新たに開始した。「pandacare」というブランドのそのサービスは、保険、組み立て、修理、メンテナンスなどの情報や正しいヘルメットの見つけ方などをユーザーに届ける。

Ridepandaを訪れたユーザーは「ridefinder quiz」をクリックすると、電動アシスト自転車、モペッド、スクーターの種別、身長、体重、もっとも多い利用場面、さらには折り畳み式かどうか荷台の大きさなど最後に予算を選択する。すると条件にあった製品がいくつか表示される。こうした手順を省略して、3つの製品タイプや「commute」(通勤)、「adventure」(冒険)、「delivery」(配達)、「accessibility」(アクセシビリティー)などの利用場面から検索することもできる。

「電動アシスト自転車や電動スクーターや電動モペッドなら何でも載せているわけではない」と同社のCTOであるデプマン氏は言う。

「私たちは多種多様な電動乗り物のカンブリア爆発のような現象を見てきました。実際、イマフ数百種類以上の選択肢があります」と同氏。「アマゾンのウェブサイトに行けば、それぞれのカテゴリーで150種類以上が見つかり、ふるいにかけるのは実に難しい。つまり私たちがバックエンドに作っているのは評価システムなのです」。

「製品がプラットフォームに載るためには、一定の条件と評価基準を満たさなくてはならない。Ridepandaは、性能、安全性、持続性、耐久性、修理のしやすさから製品を評価している」と同氏は説明する。評価は、バッテリー、モーター、ブレーキなど個々の部品ごとに行われる。

現在Ridepanda米国市場に焦点を合わせており、シカゴ、ロサンゼルス、ニューヨーク、ポートランド、サンフランシスコ、およびシアトルが対象だ。顧客向けの融資を提供しているほか、サブスクリプションサービスも計画しているが、時期を含めてまだ決定していない。

「今は、雑音と決断疲れと戦っているのだと思っています」とマラヴィヤ氏は締めくくった。。

カテゴリー:モビリティ
タグ:マーケットプレイス

画像クレジット:Ridepanda

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

電動キックボードBirdがシリーズDで約290億円の資金調達、狙いは海外展開の強化

電動キックボード事業を展開するBirdは10月3日、2億7500万ドル(約290億円)をシリーズDで調達したことを明かした。リードはCDPQとSequoia Capital。バリュエーションは25億ドル(約2670億円)。

同日にTechCrunchが主催するDisruptにて登壇したBirdのCEOのTravis VanderZanden氏は、調達した資金をもとに同社が「より多くの街に展開していく」と話した。Birdは8月、同社にとっては日本での初となる実証実験を福岡市で実施しているが、VanderZanden氏から日本での今後の展開に関して言及はなかった。「ヨーロッパに関しては引き続き注力していく」という。「Birdとそのミッションを出来るだけ早く世界に届けたい」(VanderZanden氏)。

6月に発表されたScootの買収に関して「1つのブランドになる予定は?」と聞かれたVanderZanden氏は「Scootブランドは残す」と答えた。同氏いわく、Scootの強みは「街との協力体制の構築が巧み」な点。9月にはJUMP、Lime、Scoot、Spinの4事業者が、10月15日よりサンフランシスコで電動キックボードを展開する許可を得られたとTechCrunchが報じた。この時Birdが許可を申請しなかったのは、Scootを買収していたから。ちなみに、前回は許可を得られたSkipは、今回は残念ながら許可を得られなかった。ハードウェアの安全性に関するスコアが低かったとサンフランシスコの市営交通機関は説明している。

Birdは電動キックボードのシェアリング以外にも、ハードウェアの販売や月額のサブスクを展開している。「車の所有」は当たり前だが、マイクロモビリティーはまだまだ「フレッシュスタート」であるため、様々な選択肢を用意しているという。

様々な選択肢は、ハードウェア面でも用意されている。8月には最新の電動キックボードのBird Twoが発表されたが、それ以上に印象的だったのは6月に発表されたBird Cruiserだ。

Bird Cruiser

Bird Cruiserは2人乗りの、自転車とモペット(ペダル付きオートバイ)の中間のような電動の乗り物。VanderZanden氏によると、電動キックボードは1〜2マイル(1.6〜3.2Km)、そしてBird Cruiserは2〜5マイル(3.2〜8Km)の移動に適しているそうだ。そして、Bird Cruiserは電動キックボードに乗るのを躊躇する、中高年の利用も想定している。「車の稼働を削減する」と繰り返したVanderZanden氏。Birdは利用方法やハードウェアの多様性により、車よりも環境に優しいマイクロモビリティーを定番化しようと試みている。