ユーザー数5億人に迫るインスタントメッセージアプリTelegramが2021年に広告プラットフォーム導入

インスタントメッセージアプリTelegram(テレグラム)のユーザー数は5億人に「近づいて」おり、事業を存続させるために2021年から売上を生み出す計画だと創業者のPavel Durov(パヴェル・ドューロフ)氏が米国時間12月23日に述べた。

ドゥーロフ氏は、創業7年になるTelegramの事業資金はこれまで個人の金で賄ってきたが、事業が拡大したため収益化の方法を模索していると述べた。「我々のサイズのプロジェクトだと事業を継続するために少なくとも年数億ドル(数百億円)が必要」と説明した。

2020年4月にアクティブユーザー数が4億人超となったTelegramは、パブリックの一対多数チャンネルに自前の広告プラットフォームを導入する。「ユーザーフレンドリーで、プライバシーを尊重し、サーバーとトラフィックの費用をカバーすることができる」とドゥーロフ氏は自身のTelegramチャンネルに書いている。

「広告プラットフォームを通じた大規模なパブリックの一対多数チャンネルで収益を上げれば、こうしたチャンネルのオーナーはそのチャンネルのサイズに応じて無料のトラフィックを受け取ります」と同氏は書いた。Telegramがサービスで収益を上げられる別の方法は、「より表現性のある機能」があるプレミアムなステッカーを使うものだと同氏は説明した。「この新しいタイプのスティッカーを制作するアーティストも収益の一部を受け取ります。Telegramを使う何百万というクリエイターや零細事業者が繁栄し、全ユーザーのエクスペリエンスを豊かなものにしてほしいと考えています」

一部のアナリストは、Telegramがブロックチェーントークンのプロジェクトでプラットフォームを収益化できると期待していた。しかしプロジェクトは遅延し、また規制当局とのトラブルを受けてTelegramは2020年5月、ブロックチェーントークンのプロジェクトを中止することを決めたと発表した(未訳記事)。

このプロジェクトのために、ドバイに拠点を置くTelegramは2018年に投資家から17億ドル(約1760億円)を調達した。ブロックチェーンのソフトウェアを開発後、グラムと呼ばれるトークンの流通を計画した。Telegramは2020年初め、投資家に12億ドル(約1240億円)のリターンを提供した。

「Telegramはソーシャルネットワーキングの側面を持っています。当社の膨大なパブリックの一対多数チャンネルはそれぞれ何百万という購読者を持つことができ、Twitter(ツイッター)フィードのようなものです。多くのマーケットでそうしたチャンネルの所有者は、ときにサードパーティの広告プラットフォームを使って稼ぐために広告を表示できます。表示した広告は普通のメッセージのように見え、往々にして侵入的です。当社は独自のAd Platformをパブリックの一対多数チャンネルに導入することでこの問題を解決します」とドゥーロフ氏は書いた。

同氏によると、既存の機能はすべて無料のままだ。同氏はFacebook(フェイスブック)が所有するWhatsApp(ワッツアップ)を最も批判している人の1人で、プライベートの一対一チャットやグループチャットに広告を導入するのは「悪いアイデア」であるとし、Telegramは決して導入しないことを約束している。

「WhatsAppの創業者のように、我々は会社を売却することはしません。世界はユーザーがリスペクトされ、高品質のサービスが確保されるところとしてTelegramを必要としています」と同氏は書いた。「Telegramは来年から収益を上げ始めます。当社の価値観、過去7年で約束してきたことに沿って取り組みます。現在の事業規模のおかげで、当社は非侵入的な方法で収益化することができます。大半のユーザーは変更にほとんど気づかないでしょう」。

Telegramはまた、12月23日に新しいグループ音声チャット機能をアプリに加えた。この新機能は、数千人の参加を許容するDiscord(ディスコード)のalways-onルームに似ている。

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(翻訳:Mizoguchi

GoogleはAndroidメッセージでエンド・ツー・エンドの暗号化をテスト予定

過去1年半の間Google(グーグル)は、Androidユーザーに対して、古くて使いにくく、そして安全性の低いSMSメッセージを置き換えることを目指して、その次世代メッセージングを展開してきた。グーグルによればその展開は終了し、来年にはAndroidにエンド・ツー・エンドの暗号化を導入する計画だという。

グーグルのRich Communications Services(RCS)は、Apple(アップル)のiMessageに対するAndroidから回答である。そこにはタイピングの表示、既読通知、その他の一般的なメッセージングアプリに期待されるものが取り込まれている。

米国時間11月19日のブログ記事(Googleブログ投稿)で、グーグルは1対1の会話から始めて、エンド・ツー・エンドの暗号化を展開する予定だと述べている。エンドツーエンドで暗号化されたグループチャットの可能性は保留中だ。ここからサインアップできるベータテスターに対して、11月の終わりから利用が可能となり、2021年まで続けられる。

エンド・ツー・エンドの暗号化により、送信者と受信者の間を移動するメッセージを途中で読むことは、グーグルでさえ不可能になる。

グーグルは、2016年にAlloを開始することで、エンド・ツー・エンドの暗号化されたメッセージングの世界に踏み込んだ。Alloアプリはデフォルトでセキュリティ機能を有効にしていない(未訳記事)という点が、セキュリティの専門家からの批判を招いた。2年後、グーグルはAlloアプリとプロジェクトを放棄した(未訳記事)。

当時、グーグルは教訓を得ることとなったのだ。一度この機能を利用可能にすると、Androidメッセージアプリではデフォルトでエンドツーエンド暗号化が行われ、会話に参加しているユーザーがRCSを無効にするまで普通のSMSには戻らない。

関連記事:GoogleがAndroid MessagesアプリでのRCSサポートを米国にて追加

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(翻訳:sako)