NVIDIAが次世代車載半導体「DRIVE Atlan」発表、演算処理性能1000TPSの「車載データセンター」

NVIDIAが次世代車載半導体「DRIVE Atlan」発表、演算処理性能1000TPSの「車載データセンター」

4月12日(現地時間)、半導体メーカーNVIDIAはオンラインカンファレンス「GTC 2021」を開催。この中で、同社のジェンスン・フアンCEOが次世代車載半導体「DRIVE Atlan(ドライブ アトラン)」を発表しました。

NVIDIAの車載半導体は、2018年提供の「Parker(パーカー)」、2020年から供給している「Xavier(エグゼビア)」が現行モデル。来年にはXavierの後継に当たる「Orin(オーリン)」の供給が開始される予定です。すでにメルセデスベンツの次世代車両に搭載されることが決まっており、今回のカンファレンスでも、ボルボの車両に「Orin」の搭載が発表されましたが、早くもその次の車載半導体が発表されたかたちです。

注目の「Atlan」ですが、特筆すべきはその処理能力。「Atlan」はなんと1秒間に1000兆回もの処理を行うことが可能。「Parker」は1TOPS(1秒間に1兆回)、「Xavier」は30TOPS(1秒間に30兆回)、「Orin」は254TOPS(1秒間に254兆回)ですから、これらと比べると「Atlan」は破格の性能を有しているといえます。

高度なAI技術を用いて自律走行を行う無人車両はもちろんのこと、有人車両でもアプリケーションやAI機能が充実したモデルで高い演算能力が求められます。同社は「Atlan」の高い能力を「A Data Center on Wheels(車載データセンター)」と表現していますが、データセンターレベルの能力を車に搭載することができれば、自動運転技術も飛躍的に向上するかもしれません。

「Atlan」は2023年にサンプル提供が行われ、車両への搭載は2025年を予定しているとのこと。

(Source:NVIDIAEngadget日本版より転載)

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メルセデス・ベンツが高級EVセダンEQSの湾曲56インチ「ハイパースクリーン」発表

3年前、Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)は、従来の自動車業界を躍進させるインフォテインメントシステム「MBUX(メルセデスベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」を発表した。

このシステムは鮮明なグラフィック、直感的なUIと音声アシスタントを備えており、スマートフォンの使用感に近く、ピクセル化された画面や、現代のインフォテインメントシステムの多くに見られる乱雑なデザインからようやく脱却したものだった。

メルセデスは米国時間1月7日、MBUXの次のイテレーションである56インチの湾曲したスクリーンを発表した。MBUX Hyperscreen(MBUXハイパースクリーン)は、メルセデスの電気自動車ブランドEQのフラッグシップセダンである2022年モデルのMercedes EQS(メルセデスEQS)にオプション設定される。オンライン開催のCES展示会に先駆けて発表されたハイパースクリーンは、8CPUコア、24GB RAM、46.4GB/秒のRAMメモリ帯域幅を備えており、1台の多機能カメラと光センサーを利用して、画面の明るさを周囲の照明条件に適合させることができるという。

これらの技術はすべて、最大7人まで個別に対応できる直感的なインフォテインメントシステムを提供することを目的としている。メルセデス・ベンツのCTOであるSajjad Khan(サジャド・カーン)氏によると、ハイパースクリーンの背後にあるソフトウェアにより、システムは継続的に顧客をよりよく知っていくことができ、車の乗員がどこかをクリックしたり、スクロールしたりする必要がないように設計されているという。

「MBUXハイパースクリーンは、クルマの脳と神経系の両方です」とカーンは声明で述べている。

Mercedes-Benz EQSのMBUXハイパースクリーン(画像クレジット:Mercedes-Benz)

湾曲したスクリーンは、ガラスのハウジングの下に複数の個別のディスプレイが配置されているが、カバープレートは、反射を低減し、清掃を容易にするために傷に強いケイ酸アルミニウムの2層コーティングで保護されている。メルセデスはまた、万が一の衝突に備えて、スクリーンの破損ポイントをあらかじめ設定して設計したとのこと。

湾曲したスクリーンの両側には、スクリーンに組み込まれた2つの物理的な通気口がある。

画面の見た目や大きさはさておき、際立つのはUIや操作方法だ(といっても、明確にしておくとまだ本当にテストしたわけではないが)。メルセデスは充電、エンターテインメント、電話、ナビゲーション、ソーシャルメディア、コネクティビティさらにはマッサージ(タイプミスではない)に関する情報をスクリーンのフロントに配置することを選択した 。これは、メニューをスクロールしたり、これらのオプションを見つけるために音声アシスタントを使用する必要がないことを意味している。

ドライバーのパターンを学習したシステムのソフトウェアがユーザーを促すので、サブメニューに入っていく必要がなくなる。ナビゲーションマップは常に中央に表示されており、そのすぐ下には電話やエンターテイメントのためのコントロール、または状況に応じた機能が配置される。

メルセデスは7日の発表中に、システムのソフトウェアと、そのスマートな機能を強調した。たとえばドライバーがいつも特定の曜日に帰宅途中に特定の人に電話をかけている場合、システムはその行動を予測し始める。タイミングを合わせ、その相手の名刺が連絡先とともに出てきて、保存されていればその人の写真も表示される。その日の夕方に他の誰かがEQSを運転していた場合は、このような提案は行われない。

Mercedes-Benz EQSのMBUXハイパースクリーン(画像クレジット:Mercedes-Benz)

ドライバーはシステムのより深いレベルで設定を変更したり、他の機能にアクセスしたりすることができる。助手席の乗員は「co-driver display」(コドライバー・ディスプレイ)と呼ばれる専用の画面セクションを持ち、ドライブ中に画面を操作することができる。一部の市場では、Bluetoothヘッドフォンを使用して移動中にビデオを視聴することも可能だ。カメラに制御されるインテリジェントロックコンセプトにより、ドライバーが助手席のディスプレイを見て気が散るのを防ぐことができるという。

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画像クレジット:Mercedes-Benz

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(翻訳:Nakazato)