ネット印刷・集客支援などのラクスルがダンボール・梱包材専門通販ECサイトのダンボールワンを完全子会社化

ネット印刷・集客支援などのラクスルがダンボール・梱包材専門通販ECサイトのダンボールワンを完全子会社化

ネット印刷・集客支援プラットフォームなどを手がけるラクスルは2月1日、ダンボール・梱包材専門通販ECサイト「ダンボールワン」を運営するダンボールワンを同日付で完全子会社化したと発表した。

ラクスルは、同社事業の成長戦略として、オフィス・産業資材への印刷領域の拡張を推進しており、当該領域におけるサービスとの相乗効果を目的に、2020年12月にダンボールワンの株式を取得し関連会社化。2022年2月1日付で追加取得が完了し完全子会社化した。

ダンボールワンは、ダンボール・梱包材専門通販ECサイトとして業界最大規模のダンボール製造会社・梱包材メーカーのネットワークを活用した、低コストかつ小ロットの商品提供の仕組みを構築している。提携後、ラクスルのシェアリング・マーケティングノウハウの活用や両社の顧客基盤の拡大など、協業関係により互いにシナジー効果を創出してきたという。

そのような取り組みを通じて、ラクスルは、同社の事業拡大への期待とセグメントのさらなる成長の観点から、企業価値最大化に資すると判断し、株式を追加取得して完全子会社化することに合意した。今後は組織拡張、プラットフォーム力の活用、開発投資などを通して両社のシナジーを生かしさらなる成長につなげるとしている。

ラクスルグループは、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」という企業ビジョンのもと、印刷や物流、広告といったデジタル化が進んでいない伝統的な産業にインターネットを持ち込み、産業構造を変えることで、より良い世界にすることを目指している。現在では、ネット印刷・集客支援のプラットフォーム「ラクスル」をはじめ、物流プラットフォーム「ハコベル」、広告のプラットフォーム「ノバセル」を提供するノバセル、コーポレートITの「ジョーシス」のサービスを提供するジョーシスを運営している。

ラクスルが第4の新規事業発表、ITデバイスとSaaSを統合管理し情シスを支援する「ジョーシス」

ネット印刷で有名なラクスルだが、他にも事業を展開していることをご存知だろうか。同社は「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンを掲げて、デジタル化が進んでいない伝統的産業の構造を変え続けている。

同社は印刷系事業の「ラクスル」の他に、物流のプラットフォーム「ハコベル」、広告のプラットフォーム「ノバセル」(タクシー内などでこちらのCMを目にする人も多いだろう)を展開しているが、本日9月1日、4つ目の事業として、ITデバイス&SaaSの統合管理クラウド「ジョーシス」の正式リリースを発表した。コロナ禍でテレワークが進み、負担が増える情報システム部門を支援すべく、パソコンなどの備品購入から、キッティング(購入端末の初期設定)、入退社にともなうSaaSアカウント管理などを自動化するプラットフォームを提供する。

ラクスル自身が感じた課題をサービス化

本質的な業務が存在するのにも関わらず、突発的な事象の対応に追われ、業務推進が滞るのはどこの部署でもあること。ラクスル代表取締役社長の松本恭攝氏によれば、ジョーシスは、ラクスル自身の悩みから生まれたという。「新型コロナウイルス影響でクライアントのマーケティングコスト削減が起こり、ラクスルの売上は減少。他方、自社においてもテレワークやSaaSの導入が急速に進み、制度設計からライセンス管理まで、情報システム部門の業務は肥大化しました。他社も同様の状況になっているのではと調査したところ、IT管理業務関与者は相対的に離職率が高く、結果的に外注への依存度が高まっていることがわかり、ジョーシスの立ち上げを決めました」と語る。開発には、シリコンバレーでの活躍も目覚ましいインドを主体としたグローバルチーム体制を敷いている。

人事系SaaSと連携し、従業員ごとにデバイスとSaaSを一元管理

ジョーシスでは、人事労務サービスと連携し、従業員ごとにITデバイスやSaaSの登録状況が管理できる。テレワーク推進以降、退職者のアカウント解除が甘かったことが原因で情報漏洩する事例などもあり、これを防ぐため、人事にともなうアカウントの管理漏れ防止機能も整備。接続サービスは現在約40程度、年内で100を目指すという。オンプレシステムについても、項目を追加し管理していく機能により、ジョーシスでの管理一本化を図っていく。

また、オンラインストアでは、創業から100年以上、B2B市場におけるデバイス販売とアフターサービスでは約40年という長い歴史を持つTooと提携しており、業界最安値クラスでITデバイスの購入が可能だ。その後の納品、倉庫保管までフォローされ、ジョーシス以外で購入したデバイスについてもクラウドで管理することができる。

本サービスは、社員100名以上の管理コストが高いレイヤーをターゲットにしている。一方で、多くの企業に取り入れてもらえるようにと、スタンダードプランでは従業員50名以下であれば無料で使えるとのこと。アドバンスプランでは基本機能に加えてオンライン棚卸しとチケット管理(ヘルプデスク)を追加。スタンダードプラン、アドバンスプランともに料金はいずれも個別見積もりとなっている。キッティングは1台あたり5000円から、保管は1日1台あたり20円からとのこと。

「ウィズコロナにおいても出勤とリモートワークのハイブリッド勤務は継続するでしょう。デバイス管理の必要性はますます増えていくと考えられ、ジョーシスも普及していくと思います」と松本氏は語る。コロナ時代のDXに奔走する情シスたちの、救世主になるか。

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