従業員コンディション分析のラフールが博報堂「ミライの事業室」と提携、生活者のウェルビーイング実現に向け新事業創造

企業向けに心身の健康状態などの調査・対策をサポートするラフールは3月14日、博報堂の広告事業を超えた新規事業を目指す「ミライの事業室」との業務提携締結を発表した。この提携により、生活者のウェルビーイング(心身ともに充足している状態)の実現に寄与するための新規事業創造を推進する。

提携による新サービスの第1弾は、共同開発した「ウェルビーイングタイプ診断」(ソフトクラスタリング)。ラフールの企業向け従業員サーベイツール「ラフールサーベイ」に搭載し、3月28日よりラフールサーベイ導入企業に提供を開始する。

近年、コロナ禍やテレワークの長期化などにより、従業員がメンタルに不調を抱えていても管理者側がそれら不調や変化を把握しにくいという状況がある。しかしそうした状況下でも、従業員が安心して業務をこなせるよう、従業員のメンタル変化に加えて個々の価値観や嗜好を踏まえたウェルビーイングの傾向を把握し、踏み込んだ形で向き合えることが重要という。この課題を解決するものとして、ラフールとミライの事業室は、ウェルビーイングタイプ診断モデルを共同で開発した。

これは、ミライの事業室による独自診断指標「生活者ウェルビーイング21因子」を基にした生活者調査を活用し、ラフールと共同で開発したものという。ラフールサーベイにおいて入力された回答から診断を行い、生活者ウェルビーイング21因子から抽出した5種類のウェルビーイングタイプのうちどれに近いのか結果を表示する。

またこの結果により、従業員が自身のメンタル状態に加えてウェルビーイングタイプ(価値観や嗜好性)を把握でき、従業員同士や組織内のコミュニケーション活性化ツールとして利用されることを目指しているそうだ。また2022年8月以降は、利用者のアンケート結果などを踏まえ、随時アップデートしていく予定とのこと。

2011年11月設立のラフールは、あらゆる業種の企業向けに、従業員のメンタル・フィジカルの状態や、エンゲージメント、衛生要因を可視化する組織診断サーベイとして、ラフールサーベイを開発・運営。ラフールサーベイは、人事施策の効果を定量化し、従業員・管理職・企業と立場の異なる人達が共通認識を餅、共通言語化できるものとしている。

また約3000社の従業員18万⼈以上のメンタルヘルスデータから、⼤学や臨床⼼理⼠の知⾒を取り⼊れた独⾃の調査項⽬を従来のストレスチェックに加えることで、多⾓的な分析が可能。組織エンゲージメント・ハラスメントリスク・離職リスクなども含めた包括的な診断も行える。

従業員コンディション分析のラフールが医療従事者向け特化サーベイ「LAFOOL SURVEY for Medical Workers」提供開始

従業員コンディション分析のラフールが医療従事者向け特化サーベイ「LAFOOL SURVEY for Medical Workers」提供開始

組織や従業員の状態を可視化するツール「ラフールサーベイ」(Android版iOS版)を提供するラフールは10月21日、医療従事者向けに特化したサーベイ「LAFOOL SURVEY for Medical Workers」の提供を開始した。

東北大学が発表した、病院に勤務する看護職1万名を対象とした調査によると、約42%の看護職が、コロナ禍の影響で「看護職の仕事を辞めたいと思った」「自信がなくなった」と回答しており、コロナ禍が看護職の離職を促す可能性が懸念されている(「新型コロナウイルス感染症流行下における看護職の精神健康ケアの必要性増」)。

さらに、新型コロナウイルス感染症の程度の大小にかかわらず、看護職の精神健康の状態が悪化やネガティブな影響をもたらしていることが明らかになったという。

同社は、創業当初より企業や企業で働く人のメンタルヘルスケアを支援しきた実績やパートナーである精神科医、大学の知見を元に医療従事者に力添えができるよう、医療従事者向けに特化したサーベイの提供を開始したという。

医療従事者向けに質問をカスタマイズ

LAFOOL SURVEY for Medical Workersは、同社ラフールサーベイをベースに医療従事者向けに質問のカスタマイズを実施しており、メンタル不調予防対策やエンゲージメントの低下を未然に察知することが可能という。

従来のストレスチェック(57項目)に職場環境を把握できる設問を追加し、計141項目により状態把握・要因分析を行い、対策リコメンドをワンストップで導き出せる。また、ストレスやフィジカルの状態の良し悪しを図る「状態把握」の項目をはじめ、なぜストレス状態が悪いのか理由を特定するための「要因分析」の項目を加えることで、分析が可能となっている。

職員のセルフケアを促すマイページを⽤意

従来のサーベイツールでは、施設や指示者側が職場を変えるため、「職場の状態を可視化する」ことを重視したサービスが⼀般的という。⼀⽅「医療従事者向けメンタルヘルスサーベイ」では、「働く個⼈の意識を変える」ため、サーベイを回答した職員⾃⾝の結果を閲覧できるマイページなどを⽤意している。⼼⾝の健康状態やエンゲージメントなど、⾃⼰認知の向上やセルフケアの促進の⼀助となるとしている。

職場課題の要因特定から課題解決の施策をレコメンド

LAFOOL SURVEY for Medical Workersでは、職員の状態の可視化と合わせ、個⼈の体調やメンタルが悪化している要因を分析する機能を採用。また、課題に対しての施策をレコメンドするため、どのような施策を⾏うべきか思い悩む必要がないという。施設や指示者が施策を⾏う上での⼯数を削減し、職場課題に直結した施策を実施することでコスト削減や業務効率の向上を実現するとしている。