どのサイトに行っても執念深くユーザーを尾行してくる広告に出くわしたことがあると思う。どこかのサイトでたまたま何かの広告をクリックするとその広告が他のサイトにも現れる。いやどこのサイトに行ってもつけ回してくるのだ。Googleはユーザーがこういう広告を黙らせる手段を強化した。
一見すると奇妙な動きに思えるかもしれない。つまりGoogleの本業は広告ビジネスだ。ユーザーがあるプロダクトに関心を示したらその広告が繰り返しユーザーの目に触れるようにするのは広告の効果を高める上で有利であり、結局のところGoogleの売上を伸ばすのではないか? しかしGoogleは今日(米国時間1/25)の公式ブログの記事でユーザーに対する透明性とコントロール能力の提供を強化しなければならない理由を述べている。
当然のことだが、ユーザーがすでに興味を持っていないプロダクトならいくら「リマインダー広告」を表示しても効果がない。これは結局Googleのビジネスに良い結果をもたらさない。
Googlはスノーブーツを例に挙げている。誰かがSnow Boots Co.のサイトを訪問してスノーブーツを検索した後で、別のサイトの別のタイプのスノーブーツを購入したとする。ユーザーはSnow Boots Co.の製品にすでに興味を持っていない。にもかかわらず、このサイトがユーザーにスノーブーツの広告を送り続けたとすると、ユーザーは不快になる。興味ない広告がどのサイトに行っても必ず表示されるというのは非常に煩わしい経験だ。Googleが提供する新機能はこうした広告を簡単にミュートできるという。
この数年、Googleはユーザーが広告をミュートしたり設定を変えたりできるツールを提供してきたが、新機能は「広告設定」から不快な「リマインダー広告」をミュートする方法を提供する。
Googleの新しいミュート機能はユーザーのアカウントの広告設定に反映され、すべてのデバイスで有効となる。ある広告をスマートフォンでミュートした場合、デスクトップでも表示されなくなるという。
こうしたリマインダー広告のミュートはGoogle検索、YouTube、Gmail等のプラットフォームに拡張されるという。
これらに加えてGoogleは 2012年に実装した「不要な広告をブロックする」能力も強化される。
GoogleのJon Krafcikは「2017年に何百万人ものユーザーが毎日、不要な広告のミュート機能を利用している。2017年に得たユーザー・フィードバックによれば50億件以上の広告が不要な広告としてミュートされた。またユーザーからのコメントに基いて100以上の広告をわれわれの広告ネットワークから除外した」とブログ記事に書いている。
繰り返すが、今回のアップデートの影響はGoogleが表示する広告に限られる。したがって別の広告ネットワークはうるさい広告を依然として表示してくるだろう。たとえばFacebookとInstagramが送りつけてくる大量のリマインダー広告などはブロックできない。
ともあれGoogle広告については不要な広告を削除するを開いて現在の状態を確認し、必要に応じてミュート機能を利用しよう。
画像:Getty Images
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)