「短期間で消えるタトゥー」のInkboxが100万ドルの資金を調達

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Inkboxの「2週間で消えるタトゥー」は昨年のKickstarterでのデビューで一躍注目を集めた。− トロントに拠点を構える創始者であるTylerとBradenのHandley兄弟は、時間が経つと消えるオーガニックボディーアートの発明によって、そのときはおよそ30万ドルを調達したのだ。これはオリジナルプロダクトの改良版で、プロダクトの適用に必要な時間を丁度10分まで縮めたものだった。それから1年。今回彼らはシード資金として100万ドルを調達した。投資家のリストにはお馴染みの名も含まれている。

The Biggest Loser(リアリティ番組)やDays of Our Lives(ドラマ)で有名なエミー賞ノミネート女優のアリソン・スウィーニーはinkboxの投資家の一人だ。また2000年のデビュー以来、テレビ番組Survivorの顔であり続けているリアリティ番組の司会者ジェフ・プロブストも投資家の一人でである。二人の投資家は、体に永久的な変化を与える決心を迫ることなく創造的な表現能力を人々に与えるというinkboxの前提にとても魅了されている。実際とても魅了されたあまり、プロブストにテクノロジースタートアップへの初めての投資の決心をさせたほどなのだ。

CEOのTyler Handleyによれば、プロブストが本気で関わる理由は、純粋にプロダクトを信じているからだ。なぜなら人々にタトゥーによる自己表現の利便性を与える一方で、ひょっとすると将来後悔するようになるかもしれない永久的な変化を残さないからだ。スウィーニーの場合も、今回が初めてのシード投資ではないが、製品とそれを支えるコンセプトに対して同じように強い信頼を寄せている。

「あらゆる手段で自己表現をするという考え方は大好きです。特に一度決めたら変えられないのではなく、その時その時で変えていけるものなので」とスウィーニーはメールで語った。「私がinkboxを知って、Tylerと会社のビジョンについての話を始めたときに、チームに参加してこの動きの一部を担いたい気持ちに駆り立てられました」。

Tylerとinkboxが作り上げたチームは同社の将来を握る鍵だが、その中でも最初に雇われたChris Caputo以上に重要な鍵となる人物は存在しない。彼は現在ハーバード大学のポスドクであり、カナダの最も注目されている若手化学者なのだ。こうしたリーダーの雇用は今回のラウンドと同様に、現在の製品は単にinkboxの最初ものに過ぎないという考えに基づいて行われているものだ。実際Handleyによれば彼らは現在30日持続する一時タトゥー技術を開発中で、それすらも単なる始まりに過ぎないということなのだ。

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「私たちは自分たちの企業のバックエンドは、何よりもまず第1級のバイオテック企業と位置付けています。そしてフロントエンドでは消費者向けのファッションアクセサリーを売るのです」とHandleyは説明した。「そして、そのことは正しい才能を持つ人を探すことを本当に難しいものにしています。なぜって、このようなプロダクトのために働くソフトウェア開発者をどうやって見つければ良いのでしょう?」。

雇用は、この若いスタートアップの唯一の課題ではない。Handleyによればプロダクトに利用するために技術の新しさ故に、彼らは「何もないところから作り上げる」ことを強いられている。消費者向けの製品開発では、プロトタイプや基礎的かつ試験的な科学の段階から、量産可能な製造可能段階へ持っていくのに最低6ヶ月は必要である。先週やっと一般向けの発売に漕ぎつけたところだ。

テンポラリータトゥーは一見ハイテク製品には見えないだろう、しかしinkboxはすでにサイエンス側にはCaputoを擁し、そしてスウィーニー、プロブスト、マーク・ベル、ジョー・ルース、そしてシカゴを拠点とする初期段階対応VCファームであるKGC Capitalといった面々を含むエンジェルたちによる新しいラウンドを手中に収めた。消費者への売り上げの期待と、次々に現れるであろう後続の製品を思えば、自然科学の世界でこの先動向が気になる会社である。

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(翻訳:Sako)