ウクライナ・マリウポリのレトロPC博物館がロシアによる侵攻により破壊、500以上の歴史的コレクションが失われる

ウクライナ・マリウポリのレトロPC博物館がロシアによる侵攻により破壊、500以上の歴史的コレクションが失われる

Club 8-bit

ロシアによるウクライナ侵攻が続くなか、現地にあるレトロPCとビデオゲームを集めた個人運営の博物館「Club-8bit」が戦火により破壊されたと報じられています。500を超えるレトロPCやゲーム専用機など、15年近くにわたり集められたコレクションが爆弾により失われたとのことです。

このレトロPC博物館はマリウポリにあり、ドミトリー・チェレパノフ(Dmitry Cherepanov.)氏により運営されていました。今回のニュースはウクライナのコンピュータとソフトウェア博物館(Software and Computer Museum/所在地はキーフ)のTwitterアカウントにより報じられ、オーナーのチェレパノフ氏は無事だそうです。

しかしチェレパノフ氏はFacebookで、博物館だけでなく自宅も失ったと述べています。「マリウポルのコンピュータ博物館はもうないんだ」「15年間集めてきたコレクションから残されたのは、博物館の(Facebook)ページ、ウェブサイト、ラジオ局での思い出の断片だけだ」とのことです。

米Gizmodoは2019年に博物館にてチェレパノフ氏に取材していましたが、そこではソ連圏が独自のPCを作っていた頃からコンピュータを集め始めていたと語られています。

コモドール64やMacintoshといった西側のマシンのみならず、広く知られていないが歴史的には貴重な価値があったソ連圏の遺産まで失われてしまったわけです。

チェレパノフ氏は10年以上にわたってこれらのPCを収集・修復しており、自らのPC博物館を「1980年代のPC革命の広い範囲を見ることができる魅力的なものです」と語っていました。

自宅とコレクションが破壊されて以来、チェレパノフ氏はPayPal口座を開設し、同氏やウクライナの他の人々を支援するための寄付を受け付けています

ロシアによるウクライナ侵攻は現在進行中であり、すでに数千人の死者や負傷者を出しています。また300万人以上が国外への脱出を余儀なくされ、大規模な難民危機も広がる一方です。世界各国はロシアに対する経済制裁をしだいに強化していますが、これ以上掛け替えのないものが失われないよう、一刻でも早く戦火が終わることを祈りたいところです。

(Source:Software and Computer Museum(Twitter)。Via KotakuEngadget日本版より転載)

Conserve the Soundは、古いテーププレーヤー、スライドプロジェクターといった、失われた技術の音のアーカイブだ

私たちの多くが、現在目の前にあるものとは異なるテクノロジーと共に育った。そして多くの人たちが、そうした古いデバイスたちを懐かしさと共に振り返るのだ。しかし、最初のカシオのキーボードの音、またはダイヤル式電話の回る音などを正確に思い出せるだろうか?Conserve the Soundが目指すのは、要するにこうしたガジェットたちの音を保存することだ。こうすることで将来の人たちがNES(米国版ファミコン)にカセットを差し込むときの音がどのようなものだったかを知ることができるようになる。

実は、このプロジェクトの歴史は古く、最初に資金提供が行われたのは2013年のことだった。しかし現在その規模は相当な大きさまで拡大している。資金を提供しているのはドイツのアート機関であるFilm & Medienstiftung NRWである。サイトはクリエイティブハウスのChunderksenによって作成されて(保守されて)いる。

全ては適度な大きさで用意されていて、実際の博物館を連想させるものである。利用者が対象の収蔵物を、ランダムにブラウズしたり、関連するタグを利用して見つけたら、分かりやすい画像とデバイスを操作する際に注意深く録音された音が収録されたサウンドプレイヤーが表示される。

アイテムそのものは(知っている者にとっては)珍しくも何とも無いが、これらの過ぎ去った時代の音を聞くことには、奇妙なほど中毒性がある。それらは記憶や好奇心を呼び覚ます…私のニンテンドーってこんなにきしむような音を立てていたかな?私のダイヤル式電話はもっとカタカタ音を立てていなかったっけ?とにかくそれはどんな感じだったっけ?私が持っていた古いラジカセもあるかな…あっ!ビューマスター(3D写真ビューワー)が!

コレクションは何年もかけて成長を続けてきた。現在は、様々なテーマの専門家に対して行われた、これらの音を残す大切さに関するインタビュー動画も観ることができる。もしお望みなら、あなた自身の音を投稿することも可能だ。「一般的な提案、音に関する提案、ストーリー、逸話、そしてもちろんコラボレーションを歓迎します」と担当者は言う。

私はいつか、私が聞いて育った様々なモデムの音を聞くために、再訪したいと考えている(現在はまだ収蔵されていない):2400、9600、14.4、28.8、そして56.6に至るまで。まあ正直言って、それらは心地よい音とは言えないだろう、しかし耳にすれば様々な想い出が溢れ出すことは予想できる。失われた時を求めて…様々なBBSたち、何時間もかかるダウンロード、そして海賊版スクリーンセーバー…。

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(翻訳:sako)