地震の“予報”はまだ無理だが“早期警報”は可能かもしれない、高密度な地震計ネットワークShakeAlertを米西部でテスト中

Italian firefighters and soldier walk amid ruins during operation aiming at reopening the road in Rio, a little village near Amatrice, central Italy two days after a 6.2-magnitude earthquake struck the region killing some 267 people and injuring at least 367 people. 
An increasingly forlorn search for victims of the earthquake that brought carnage to central Italy entered a third day on August 26 but no one has been pulled alive from the piles of collapsed masonry since August 24 evening. / AFP / MARIO LAPORTA        (Photo credit should read MARIO LAPORTA/AFP/Getty Images)

アメリカ地質調査所(United States Geological Survey, USGS)といくつかの大学が協力して、ShakeAlertと呼ばれる地震早期警報システムを作っている。その目標は、地震が起きる10秒前までに警報を提供することだ。まだ一般公開されていないが、目下、カリフォルニア、オレゴン、ワシントンの三州でテストを行っている

プロジェクトのリーダーの一人でカリフォルニア大学バークリー校地震研究所の所長、そして地球惑星科学科の学科長でもあるRichard Allenは語る: “同様の地震早期警報システムのテストを、イタリアのIrpinia(イルピニア)地方でナポリ大学が行っている”。

水曜日(8月24日)にイタリア中部で、マグニチュード6.2の地震が発生し、イタリアのメディアによれば今日(米国時間8/26)現在で死者数は281名へと増えている。

Allenは本誌の取材に対して、ShakeAlertは地震を予報するシステムではない、と語った。「水曜日にロサンゼルスで地震が発生します」、というのが‘予報’だが、Allenによると彼らのプロジェクトは地震の予報はできない。“近い将来に地震の予報が可能になることは期待できない、という点で多くの地震学者の考えは一致するだろう”、とAllenは語る。

むしろ私たちは、今何ができるかを考えるべきだ。そこに、ShakeAlertのようなものの出番がある。このシステムは、地震が約10秒後に起きる、と警報する。プロジェクトの関係者たちは、警報を自分のスマートフォンで受け取る。

Allenの説明によると、われわれは地震が突然起きると考えがちだが、実はその動きが到達するまでに一定の時間がかかる。ShakeAlertは、地中に埋めた複数の地震計(地震センサー)のネットワークを利用する。計器が地中の動きを記録して、そのデータをバークリーやUSGS、またはカリフォルニア工科大学に送る。地震計のネットワークが密であればあるほど、観測の精度は高い。

“ベイエリア〔サンフランシスコ周辺〕では、間隔が10から20キロメートルぐらいだ”、とAllenは語る。“カリフォルニアのそのほかの地域は、計器の密度がもっと粗い”、という。カリフォルニア全域でセンサーの数は550、内約200がベイエリア、200がロサンゼルス周辺、その他が州全域だ。これらが、警報システムのプロトタイプを構成している。

このシステムの構築には、国と州の両方がお金を出している。8月15日にUSGSは、地震早期警報システムShakeAlertの実用化への移行のための研究に6つの大学に370万ドルを助成する、と発表した。Allenの試算では、構築には3800万ドルを要し、各年の運用費用が1610万ドルだそうだ。

Allenは曰く、“近い将来、みんなのスマートフォンに警報が行くようにしたい。2018年には特定の地域で、少数の住民による本番利用を開始したい。そこには、これまでよりもっと密度の高い地震計ネットワークを整備するだろう”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))