アクセルマークが積雪深自動モニタリングシステムの自治体向け商用サービス開始

アクセルマーク 積雪深自動モニタリング YUKIMI

アクセルマークは7月10日、Momoと共同開発した積雪深自動モニタリングシステム「YUKIMI」の自治体向け商用サービスを今冬より開始すると発表した。

YUKIMIは、「積雪深センサー」と「データ閲覧システム」が一体となった積雪状況モニタリングシステム。センサー設置地点の積雪状況を24時間リアルタイムで可視化し、パソコンやスマホを利用しいつでも積雪状況を確認できる。

アクセルマーク 積雪深自動モニタリング YUKIMI

同サービスは昨年度、全国30自治体との大規模実証実験を実施し、商用化にむけた積雪データや事例の収集に取り組んできた。様々な環境下で積雪深を計測できたこと、実験中に判明した課題などを解決する手段を確立できたことを受け、本年度より商用サービスの開始となったという。

アクセルマーク 積雪深自動モニタリング YUKIMI

すでに100を超える自治体より問い合わせがあり、複数の自治体と正式導入に向けた協議を開始。また、自区域内での実証後に商用サービスの導入を検討したいという声もあることから、積雪深センサーと閲覧システム一式を小ロットでテスト導入できる有償実証実験プランの提供も決定した。価格は税別45万円(1シーズン)。

アクセルマークによると、適切な除雪作業を行う上で、積雪状況の把握は重要な工程となっている一方、多くの自治体では自治体職員や地域住民による目視での確認が行われているという。

また、高齢化などに伴う人手不足や、深夜・早朝の見回り負荷の軽減、天候の急激な変化に対応するため、より効率的でリアルタイム性の高い確認手段が求められており、同サービスを開発したとしている。

SNS画像から降雪量や路面状態を自動判別、Specteeが日本気象協会と共同開発へ

報道機関など向けの速報サービス「Spectee」を提供するスペクティは、日本気象協会と共同で、冬季の防災情報をリアルタイムに提供するサービスを開発する。同社はこの防災情報を、道路管理者や自治体などに提供していく予定だ。

TechCrunch Tokyo卒業生でもあるスペクティ(当時の社名はNewsdeck)は、これまでSNS上にアップロードされた事故や災害の画像、動画、テキストをAIが自動収集し、報道機関向けにいち早く配信するサービスを提供してきた。SNS上に映された画像が焚き火なのか、それとも火事なのかをも判別可能なほど精度の高い画像解析技術が同社の強みだ。

そのスペクティが日本気象協会と共同開発する本サービスでは、SNSや天気カメラからの映像をAIで解析し、「降っているのは雨なのか、それとも雪なのか」、「どれくらい雪が積もっていて、視界はどれくらい悪いのか」などを判別。それらの情報を道路管理者などにリアルタイムで提供する。これまで、降雪量や路面状態を判断するためには、人の目で確認するか、高額な計測機器が必要だった。SNSなどにアップロードされた画像からこれらの情報が入手できれば、大幅なコストダウンやリアルタイム性の向上が期待できる。

共同開発の背景について、Specteeは「冬季の防災情報に対する計測機器は高額であったり、技術的に開発途上であったりして、これまで人の目に頼る部分が多いのが実情。また自動運転の将来的な実運用が始まることを考えると、道路の雪氷管理の重要性が増し、路面状態の詳細な把握が欠かせなくなると考える」とプレスリリースの中でコメントしている。

今回の共同開発ではまず、画像・映像からの冬季の防災情報の取得に注力し、AIによる解析によって、雨雪判別、降雪量、積雪量、路面状態、地吹雪の発生判別、視程、歩道の滑りやすさを自動で判断する技術の確立を目指す。また、将来的にはその情報をリアルタイムで提供するだけでなく、各地のデータをリアルタイムで解析することで、他の地域における降雪量の予測などへの応用にも期待できるという。