YouTubeが子供向けコンテンツでのターゲット広告とデータ収集の制限を開始

YouTubeは、同社とクリエイターが子供向けコンテンツから収集できるデータの中味を公式に制限し始めた。これは、2019年9月に1億7000万ドル(約184億円)という多額の罰金が科せられたことを受けて、同11月に約束された措置だ。子供用のコンテンツが、同社にとって膨大な利益を生むものだったことを考えると、これは同社と、大手クリエーターにとって、大きな財政的打撃となる可能性がある。

主な変更は、2019年11月に発表されたように、子供向けであると判断された、あるいはそう申告されたすべてのコンテンツについて、視聴者は無条件で子供と見なされるようになったこと。有料会員制のYouTube Premiumユーザーであることが確認されている場合でも、YouTubeはそのユーザーを10歳の子供とみなして、ユーザーデータの扱いが制限されることになる。

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これには多くの理由がある。そのほとんどは、法的責任を回避すること。同社が、子供向けのコンテンツを見る人はすべて子供であると仮定することは、一種の安全策だが、残念な結果をもたらすこともある。

データ収集の削減は、ターゲット広告がなくなることを意味する。ターゲット広告は、通常の広告よりもはるかに大きな価値を生み出すもの。その結果として、子供向けコンテンツを作成しているすべての人にとって、大きな収入の減少をもたらす。たとえば、現在YouTubeでトップの収益を上げているクリエーター、Ryan Kaji(ライアン・カジ))氏(彼自身も子供だ)も例外ではない。

また、クリエーターが得られるはずの視聴者のインサイトも制限されることになる。これは、視聴者層を理解し、測定値を改善したいと考えている人にとって、非常に重要な情報だ。エンゲージメントを増進させるコメントや通知なども無効になり、チャンネルにとって損失となる。

Googleとしては、「クリエイターがこの新しい状況に対応するのを支援し、ファミリーコンテンツというエコシステムをサポートすることにコミットしています」と表明している。ただし、本当にその思惑どおりにできるのかは不透明だ。すでに多くの人が、システムは明快ではなく、これがYouTubeの子供向けチャンネルの死につながる可能性があると、不満を述べている。

これでポリシーが公になったので、これがクリエイターにどのような打撃を与えるのか、それを緩和するためにGoogleは実際に何ができるのか、じきに確かなところがわかるはずだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)