建築家向けプロジェクト管理ソフト開発のMonographが約2億円を調達

米国時間3月10日、建築家がプロジェクトとコストを簡単に管理できるようにするクラウドベースのソフトウェアを手がけるスタートアップのMonographが、190万ドル(約2億円)のシード資金を調達したと発表した。このラウンドを主導したのはHomebrew VenturesとParade Venturesで、Designer Fund、Hustle Fund VC、複数のエンジェル投資家も参加した。

画像:Monograph

2019年にRobert Yuen(ロバート・ユエン)氏、Alex Dixon(アレックス・ディクソン)氏、Moe Amaya(モエ・アマヤ)氏が、サンフランシスコを拠点として同社を創業した。3人がそれぞれ建築、デザイン、ソフトウェア開発の経験を有していることが、建築家に特化した管理プラットフォームの構築に有利に働いている。

Monographは、簡単に使うことができ、特に使いはじめが簡単なソフトウェアを設計した。建築事務所が表計算ソフトなど従来のプロジェクト管理方法から乗り換えるように促すためだ。同社によれば、1人で活動する建築家から60人以上を擁する事務所まで、すでに数百人の建築家と契約しているという。Monographはこれまでに、バスルームやキッチンのリフォームから大型ホテルの建設まで、1億2500万ドル(約130億円)以上のプロジェクトの管理に使われてきた。

  1. Monograph_Projects

  2. Monograph_Project_Tasks

  3. Monograph_Dashboard

Monographの創業以前、3人はDixon & Moeという広告代理店で、テック系スタートアップや建築事務所を対象としたUI/UXコンサルタントとして、ともに働いていた。

ユエン氏はTechCrunchに対し、次のように語った。「Monographは、建築デザイナーとしての毎日の生活や友人たちとの日々の暮らしの中で見てきた問題を解決する製品として、まさにこの代理店から生まれた。仕事にどれほどの時間がかかっているか、プロジェクトの進行状況はどうか、誰がプロジェクトに関わっているのかといった情報が透明でなかった。プロジェクトをきちんと管理できる方法がなく、年々複雑さを増していた」。

PlanGrid、Procore、UpCodesといった建築業界のテック企業と同様に、Monographも設計と建築のプロセスを効率化しつつ、チームがもっと簡単に連携できるようにすることを目指している。

Monographは現在、建築家とコンサルタント向けに設計されており、マイルストーンのアサイン、プロジェクトのタイムラインの管理、タイムシート、請求のツールを備えている。データは後からMoneyGanttのようなコストと進捗の分析に使用し、予算を予測できる。

ユエン氏は、プロジェクトの規模にかかわらずチームには建築家、デザイナー、エンジニアがいると語る。Monographは今年末までに、構造、電気、機械のエンジニアやその他の有資格者も使える新しいバージョンのリリースを開始する計画だ。

同社は調達した資金でソフトウェアエンジニアリングとカスタマーサポートのチームを雇用することにしている。

報道発表の中でHomebrew VenturesのパートナーのSatya Patel(サティア・パテール)氏は「Monographは組織とプロジェクト管理を変革するソフトウェアを提供している。建築家とデザイナーの仕事を変えて、クライアントへのサービスを充実させコストを管理し利益を増やすものだ。我々は、モダンなソリューションを期待してきた市場において同社が成長し革新を続けていくことに期待している」と述べた。

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(翻訳:Kaori Koyama)

建築デザイン向けのVRツールを開発するIrisVRが800万ドルを調達

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ニューヨークを拠点とするIrisVRがシリーズAで800万ドルを調達したことを発表した。

同社は建築デザイン業界向けのVRツールを開発する企業だ。同社が開発するIris Prospectは、3Dの建築モデルや設計図を仮想現実化するツールだ。そして、Oculus RiftやHTC Vive、GearVR、CardboardなどのVRデバイスを使うことでその建築モデルに入り込むことができる。IrisVRはIris Scopeというツールも開発している。これはパノラマ写真を仮想現実化して、それをスマートフォンで楽しむことができるというツールだ。

同社のプロダクトは現在βテスト中であり、年末には正式版がリリースされる予定だ。IrisVRによれば、同社のプロダクトは正式リリース前にも関わらず、すでに108ヵ国でダウンロードされているという。

本ラウンドのリード投資家はEmergence Capitalで、そこでジェネラル・パートナーを務めるKevin SpainがIrisVRの取締役に就任している。今回のシリーズAにはこの他にも、Indicator Ventures、Pritzker Group Venture Capital、Valar Ventures、Azure Capital Partners、Locke Mountain Ventures、Morning Groupも参加している。今回のラウンドを含め、IrisVRはこれまでに合計で1000万ドルを調達している。

CEOのShane Scrantonは資金調達を伝えるプレスリリースのなかで、IrisVRは新しいテクノロジーによって建築デザイン業界を変えると語る。「この業界を変えるようなVRアプリケーションが誕生しており、IrisVRのプロダクトもその1つです」とScrantonは話す。「単純に言えば、この業界におけるコミュニケーションの全体像を作り変えようとしているのです。建築デザイン分野で働く人々にとって、プロジェクトの見た目はとても重要です。IrisVRはその見た目に命を吹き込むのです」。

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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter