「空飛ぶクルマ」(電動垂直離着陸型無操縦者航空機)と、重量物に特化した産業ドローン「カーゴドローン」を開発するSkyDrive(スカイドライブ)は8月28日、第三者割当増資によりシリーズBラウンドにおいて39億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は日本政策投資銀行をはじめ10社。
また同日、SkyDriveの開発拠点である、日本最大級の1万㎡の屋内飛行試験場を備える豊田テストフィールドにおいて公開有人飛行試験を8月25日に実施。成功のうちに完了したと明らかにした(本稿掲載の飛行写真は8月初旬に撮影したもの)。
2018年7月設立のSkyDriveは、空飛ぶクルマの実用化、未来のモビリティ社会への貢献を目指し、航空機・ドローン・自動車エンジニアを中心に「空飛ぶクルマ」、「カーゴドローン」を開発。空飛ぶクルマは、2023年度のサービス開始を予定。カーゴドローンは販売中。
有人飛行試験は夕刻に行われ、飛行時間は約4分間だったという。機体は1人乗りで、パイロットが操縦するものの、コンピュータ制御のアシストにより、飛行を安定させていた。また、バックヤードでは飛行状態をモニタリングし、安全を常時確認していた。
同社の目標は、およそ高さ2m、幅4m、長さ4m、世界最小の空飛ぶクルマモデルの開発。駆動方式は電動モータでロータを駆動する方式。ローターは、4ヵ所に配置されており、1か所あたり、2つのロータが回転し、駆動力を生み出すという。合計8個のモーターを採用し、電動モーター・ローター系の一部に異常が発生しても、バックアップの役割を果たすため、安全に飛行を続けることが可能という。
飛ぶクルマは、正式名称を「電動垂直離着陸型無操縦者航空機」といい、電動化・完全自律の自動操縦・垂直離着陸が大きな特徴となっている。モビリティ分野の新たな動きとして、世界各国で空飛ぶクルマの開発が進んでおり、日本においても2018年から「空の移動革命に向けた官民協議会」が開催。都市部でのタクシーサービス、離島や山間部の新たな移動手段、災害時の救急搬送などにつながるものとして期待されている(小型無人機の有人地帯での目視外飛行実現に向けた制度設計の基本方針)。
今後は、2023年の事業開始、2030年の本格普及に向けたロードマップ(経済産業省・国土交通省)が制定されている。