酒気検査器を使って友人たちと血中アルコール濃度を測ってみるのは、パーティーの座興としては楽しいかもしれないが、もし本当に後1杯飲むかどうかを判断したいと思っているならば、そうした機械を引っ張り出すのはいささか面倒だ。
それこそが、肌から出る汗に基づいて体内のさまざまな化学物質を検出するウェアラブルセンサーを利用する会社、Milo SensorsをEvan Strenkが始めた理由だ。同社は、あなたの血中アルコール含有量を測定して情報をアプリに送り、今夜はどこまで来ているかをそれとなく確認し、次のビールをオーダすべきかどうかを判断できるようにしてくれる小さなリストバンドProofの提供を始めた。Milo Sensorsはこのプロダクトを、今年はEureka Parkで開催中のCESで発表した。
「酒気検査器が置いてある場所もありますが、扱いが面倒なので誰も使おうとはしません」とStreak。「使い方としては、午後6時に私たちのセンサーをオンにして、アラームを自分で設定すれば、あとはアプリが面倒をみてくれます。(私が電話機を見ていても)誰かにメッセージを送っているのか、それとも血中アルコール濃度(BAC)を測っているのかは、他の人にはわかりません。そして測定は連続的に行われているので、濃度が0.08パーセントになったらアラームを出すように設定することもできるのです。家に運転して帰らなければならないとか、連れや、友人や、家族に望ましくないレベルで接触しそうなときには、警告を発して欲しいと思います」。
アプリの目標は、アラームを電話に送る瞬間を待つことではなく、ユーザーの血中アルコールレベルを連続的に追跡することだ。これを行うことで、ユーザーはどれくらい濃度が上昇するのかを知り、ペースを落とすべきかどうかを判断することになる。バンドは情報をアプリに送信し、アプリは現在BACがどの程度かを素早く表示する。
ユーザーは現在のBACを知ることができる一方、同じ技術は更に他の物質、例えばカフェインの検出も可能だ、とStrenkは述べた。「この技術は様々なユースケースに適用可能で、結局皮膚は分子のスーパーハイウェイになるのです」と彼は言う。今のところBACの測定が行われているが、共同創業者達はこのことを何杯かのビールをピッチャーを飲みながら決定した。それはバンドではなくイヤリングの形になったかもしれないし、乳酸の検出から始めることになったかもしれなかったが、結局彼らはバンドを使ったBACの測定に落ち着いた。
所有者は、家を出ようかなと考え始める6時頃にカートリッジをバンドに挿入する。カートリッジは使い捨てでコストは数ドルほどだとStrenkは述べている。「アナロジーを挙げるなら、カウンターの上に置いた生肉が数時間で茶色に変色していくようなものです。同じようにカートリッジを開けば、それは酸化して行きます。通常の歩数や心拍といったものの計測を超えて、皮膚を通して生物学的分析結果を読み取っていくのです」。
Fitbitのような別の大規模ウェアラブル企業が、こうしたものを自社の製品に統合する方法を見出すリスクは常に存在している。Strenk氏は、使い捨てのカートリッジを使用することが邪魔になるかもしれないが、Milo Sensorsの持つ有利な点は既に2年以上も研究で先行していることだ、と述べた。
Milo Sensorsは、昨年NIHに最初のプロトタイプを提出し、その結果が酒気検査器や血液サンプルと比較された結果、現金を伴う賞を受賞することができた、とStrenkは述べた。同社は今年CESでローンチするまで多かれ少なかれ目立たないように活動していた。Strenkは時期を明言しなかったが、バンドは今年中の何処かで出荷が始まり、100ドルから150ドルの価格帯になるだろう。
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(翻訳:Sako)