楽天と投資会社KKRがウォルマート保有の西友株の大半を取得、ウォルマートは日本事業からほぼ撤退

Walmart(ウォルマート)は米国時間11月16日、12年前に買収した日本のスーパーマーケットチェーン「西友」の株式の大半をKKRと楽天に売却すると発表(楽天リリース)した。西友の評価額は約16億ドル(約1670億円)で、ウォルマートは日本での事業からほぼ完全に撤退することになる。

今回の合意では、投資会社のKKRが西友の65%の株式を取得し、日本最大のeコマース企業である楽天が子会社の楽天DXを新たに設立して20%の株式を取得する。ウォルマートは西友の15%の株式を保有する。

ウォルマートは2019年、国内での競争激化や利益率の低さに苦しんだ後、西友やその持ち株会社であるウォルマート・ジャパン・ホールディングの再上場を検討したと報じられている(Markets Insider記事)。

楽天が西友の事業に精通しているのは、2018年にウォルマートと戦略的提携を結び(Walmartリリース)、オンライン食料品配達サービスを日本で開始したためだ。​「楽天西友ネットスーパー」 と呼ばれるこのオンライン配送サービスでは、西友のスーパーの在庫からの集荷に加え、専用の配送センターも利用される。

出資後に西友はRakuten DXの一部となり、楽天のeコマースやキャッシュレス決済チャンネルを通じて、より多くの実店舗をオンライン化することを目指している。

日本の食料雑貨のオンライン配送市場は、買い物客が生鮮食品をオンラインで購入することに消極的なこともあり、他国に後れを取っている。​しかし、新型コロナウイルス(COVID-19)の大流行は消費者の習慣に急速な変化をもたらした。​The Japan Timesの7月4日の報道によると、食料品の総売上高に占めるインターネット売上高の割合は、パンデミック前の2.5%から約5%になった。

楽天のライバルには、イオン(Ocadoと提携)、Amazon(アマゾン)、イトーヨーカドーなどが運営する食料品宅配サービスがある。

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画像クレジット:Nicholas Kamm/AFP / Getty Images

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

西友とサニーが9月からPayPay対応、キャンペーン併用で10〜20%還元に

QR/バーコード決済サービスを提供しているPayPayは、9月1日からスーパーマーケットの西友とサニーの全331店舗でPayPayのQRコード決済が可能になることを発表した。両スーパーともコード決済の導入はPayPayが初。決済方式は、店舗側に設置されたQRコードを、ユーザーが読み込んで決済金額を入力する「ユーザースキャン方式」となる。

現在PayPayは「ワクワクPayPay」と呼ばれる月替わりの還元キャンペーンを実施中で、一定条件を満たせば10〜20%の還元を受けられる。9月もキャンペーンは続行され、11〜14時の間に西友やサニーでPayPayで決済すると還元が受けられる。専用ウェブサイトやアプリなどで事前エントリーする必要はない。

適用条件はほかのコード決済に比べると複雑なので注意してほしい。金融機関の口座もしくはYahoo!マネー、Yahoo!カードからチャージした場合は10%還元を受けられるが、Yahoo!カード以外のクレジットカードからチャージした場合はたった0.5%しか還元受けられない。また最大の20%還元を受けるには、PayPay残高を金融機関の口座かYahoo!マネーからチャージしつつ、月額498円のYahoo!プレミアム会員に入っている場合か、ソフトバンクもしくはワイモバイルの回線を利用している場合に限られる。

西友では、年会費無料のクレジットカード「ウォルマートカード セゾン・アメリカン・エキスプレス・カード」を利用することで、毎日3%還元、毎月2〜4回の特定日(土曜が多い)には5%の還元を受けられるという最強カードがある。なお、この特定日は、通常のセゾンカードでの決済も5%オフになる。

新たな決済方法としてPayPayが加わることで、ウォルマートカード セゾン・アメリカン・エキスプレス・カードなくても常時3%還元、キャンペーン期間中は10〜20%の還元が受けられることになる。クレジットカードを作りたくない・作れないユーザー層にはかなりのインパクトだ。

懸念点は、決済方式がユーザースキャン方式であること。西友は地域密着店舗が多く、時間帯によってはレジに大行列ができる。都市部では混雑回避のためにセルフレジの導入も進んでいるが、決済がユーザースキャン方式の場合は有人レジの利用が必須となる。ただでさえ混み合うレジがPayPay導入によってさらに混み合うことが予想される。店舗側でユーザーのバーコードを読み込む「ストアスキャン方式」の早急な導入を期待したい。