Uberのアドバンストテクノロジー(ATG)グループは、米国カリフォルニア州の公道で自動運転車をテストするための許可を再取得した。アリゾナ州で歩行者を死亡させた致死事故の後テストプログラムを縮小してから2年近くすぎてからのことだ。
Uberは、従来テストしていたサンフランシスコの公道に今すぐ自社の自動運転車を走らせる予定はない。テストを再開する前には地域、州、国の有力関係者に通知すると同社は説明している。
「サンフランシスコは、その複雑で変化を続ける環境ゆえに自動運転技術の重要な課題を学習するのに最適な都市だ。自動運転テストを再開する正確な時期は未定だが、今般カリフォルニア州DMV(陸運局)からテスト許可を得たことは、Uberの生まれ故郷でのテスト実施に向けた重要な一歩だ」とUber広報担当者はメールで語った。
カリフォルニア州陸運局が発行した許可証は、Uberの自動運転部門にとって、わずか1年半前に終了の運命にあると見られていたプログラムを再開するための重要な鍵だ。
Uber ATGグループは、アリゾナ州フェニックスのテンペ郊外で歩行者のElaine Herzberg(エレイン・ヘルツバーグ)さんを死亡させた衝突事故を起こして以来、すべての公道におけるテストを中止した。Uber ATGは自動運転車の試験をフェニックス、トロント、ピッツバーグ、サンフランシスコの各都市で実施していた。当時同社は、 ピッツバーグとサンフランシスコで100人の自動運転操作員をレイオフし、自動運転部門を売却したがっているという噂が広まった。
Uber ATGは2018年12月に、ペンシルベニア州運輸局が同社の公道での自動運転車試験を許可したことを受け、ピッツバーグで自動運転車の路上テストを再開した。
Uberは、ワシントンDCでも今年自動運転車のテストを開始する計画に先立ち、マッピングを開始した。まず3台のUber車両が現地のマッピングを行うと広報担当者は語った。マッピング車両は人間が運転し、訓練をうけた社員2名が同乗して車両屋上のセンサーウィングに設置されたカメラ、回転式ライダー(光検出測距装置)などのセンサーデータを収集する。データは高解像度マップの作成に使用されるほか、Uberのバーチャルシミュレーションやテストトラックテストのシナリオ作成にも使われる。
Uberは2020年末までにワシントンDCで自動運転車を走らせる予定。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )