アップルが開発者コミュニティ用モバイルアプリをローンチ

米国時間11月18日、Apple(アップル)は開発者コミュニティの2300万人を超える登録メンバー向けに、専用のモバイルアプリとしてApple Developerをリリースした。この新しいアプリは、アップルのWorldwide Developer Conference用アプリを拡張・置き換えしたもの。新しいアプリは、WWDCの情報だけを提供するのではなく、技術記事やデザイン記事、開発者向けニュースやアップデート、そしてビデオなど、ほかの関連リソースも含むように拡張される。また、開発者がApple Developerプログラムに登録し、メンバーシップを維持する手段も提供する。

現在、開発者情報はアップルのウェブサイト内の様々な場所や、その他の場所に散らばっている。加えて、さまざまな製品チームから電子メールによるアップデートのかたちで、開発者たちに情報が届いている。こうしたものが、この先は単一の最適化されたモバイルアプリ体験として利用できるようになる。

ローンチ時点のApple Developerアプリには、アップルのDeveloperウェブサイトで見つけることができるすべての情報は揃っていないかもしれないが、提供内容は時間とともに拡大する。例えば、現在アプリ内で技術情報と600本以上のビデオを見ることができるが、Apple Developer Forumsや、地元のアップル開発者プログラムであるApple’s App Accelerators、Design Labs、または Developer Academiesなどと接触する方法は提供されていない。

現在アプリのコンテンツは4つの主要なセクションに分かれて構成されている。Discoverセクションは、開発者情報、ニュース、アップデートを見つけるための場所で、VideoセクションはこれまでWWDCアプリが提供していたビデオを見つけることができる。WWDCセクションはイベント参加者用で、アカウントセクションでは 開発者がアカウントとプログラムメンバーシップを管理できる。

アップルの目標は、アプリを使用して、関連するコンテンツを開発者にタイムリーに提供し、Apple Developerサイトまたはアップルのサイト内に存在することすら開発者が気が付いていないような情報へと導くことだ。また場合によっては、より理解しやすい短形式の教育記事などのように、モバイルフレンドリーなコンテンツも含まれる。

言い換えれば、オンラインの技術論文で読むものと同じコンテンツでありながら、わずかに異なる方法でパッケージングされているかもしれないということだ。今後このアプリは、最近開発者の間で懸念が高まっている、Appleがまだ文書化していないことへ対処するためにも拡張される(アップルのAPI文書が欠けているかどうかを調べるのに役立つ「No Overview Available」というウェブサイトを構築した開発者もいるほどだ)。

アプリの他のセクションでは、開発者は引き続きWWDCのセッションビデオを視聴し、提供されている場合はWWDCスケジュールを確認することができる。また、Apple Developerプログラムのメンバーシップにサインアップまたは更新をすることが可能で、Apple Payまたは他の支払い方法を使用して支払いを行うこともできる。

このアプリのローンチは、アップルが地元のDeveloper Academyやアクセラレーターへの投資を通じて、国際的なデベロッパーコミュニティの育成に注力しはじめたタイミングで行われた。

例えば、過去1年間でインドネシアの開発者コミュニティは、2019年に2つのDeveloper Academy施設を開設した後、メンバー数を60%増やしている。Apple Developer Academy発足の地であるブラジルでは、コミュニティが今年50%成長している。アップルの最初のアクセラレーターラボがあるインドでは、コミュニティが45%成長した。今年、開発者ベースを拡大した他の分野には、英国(40%増)、フランス(30%)、イタリア(28%)、中国(17%)などが含まれている。

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これらの地域にサービスを提供した際に、アップルはメールよりもアプリを開く傾向がある開発者がいることに気が付いた。これがモバイル向けに最適化されたモバイルフレンドリーな開発者リソースを提供したいとAppleが考えたもう1つの理由だ。その上に同社は、App Storeミニサイトなど一部の人に認知されていない開発者リソースがあることにも気が付いた。これらのすべてのコンテンツをアプリに一元化することで、よりアクセスしやすくなる。

Apple Developerアプリは本日より、世界中のすべての市場でソフトローンチされているが、Apple Developerプログラムのメンバーシップ管理ツールは現在のところ米国限定だ。アップルはこれをバージョン1としていて、開発者のフィードバックを得て拡張することを目指している。

Apple Developerアプリは、Apple WatchやiMessageを含むiOS上で利用できる。

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(翻訳:sako)