クロアチアでで電動ハイパーカーとその構成部位を開発しているRimac Automobiliの創業者でCEOのMate Rimac氏が、3年近く前に電動ロボタクシーの企業を立ち上げた。
まだステルスで操業しているその企業について情報は乏しい。今週はRimac氏がTechCrunchのTC Sessions: Mobility 2021で、お見せできるものが揃うまではその別企業を隠しておきたい、と述べた。
Rimac氏は、その電動ロボタクシー企業について、やや詳細を語った。それによると、会社のオフィスはクロアチアとイギリスにあって、さらにそれ以外の国に置くこともありうる。同社はグローバル企業を目指していて、今作っている製品は来年早くにお目見えできる。
Rimac氏はインタビューでこう述べた: 「なぜステルスを維持するかというと、この業界には熱気が満ちているからだ。PowerPointのプレゼンしかない企業がたくさんあって、でっかいものを発表するけど、何も出てこないこともある。そんな企業にはなりたくないから、まず実際に大量の仕事をしたい。そして、約束は少なく、お届けは多めに、で行きたい」。
その企業の存在さえ知らない人がほとんどだったが、地元紙がクロアチア運輸省への提出文書をすっぱ抜いてから情勢がやや変わった。その文書は、電動自律車を利用する都市部のモビリティエコシステムのプロジェクトを提案していた。その文書が見つかったのは不運だったとRimac氏は言いつつ、自分の仕事はもっと正しく公表したい、と言った。
「人びとはうちをハイパーカーの企業だと思っている」、とRimac氏は言うが、それは同社が大資産家の個人を対象にしていると見られている、という意味だ。実際にRimac Automobiliが披露した同社のConcept 2の製品バージョンは、Neveraと命名され244万ドルの値札が付いている。Rimac氏はこう語る: 「今は長期的な視野に立ってとても多くのことに取り組んでいる。私の考えでは、モビリティが新しくなれば社会が変わるだろう。たとえばスマートフォンは、電話業界だけを変えたわけではない。AppleはNokiaをディスラプトしただけでなく、私たちの生活を変えた。私たちがつかむ次の大きな変化は、きっとモビリティだろう」。
Rimac氏は、センサーや車の設計など、自動運転システムの細部については寡黙だ。
「全体像を見ずに個々の構成要素を重視している人がとても多い。たとえば、自動運転のシステムだけ、とか。でも差別化要因になるのは、そういう個々の構成部位ではないと私は思う。自律的モビリティのエコシステムの中にこそ、もっと別の差別化要因がある、と私は信じている」。
その後Rimac氏は、ロボタクシーのユーザー体験が彼が注力しているひとつの分野であり、他社が開発しているものとは異なるものになる、と付け加えた。
関連記事: 3Dビジョン対応の自律型倉庫用ロボットを開発するクロアチアのGideon Brothers
(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hiroshi Iwatani)
画像クレジット: Rimac Automobili
[原文へ]