Amazonはここ数ヶ月、プライベート・ブランドの充実に力を入れている。ただしブランドの所有者がAmazonだと表示されていない場合がほとんどなので、ユーザーにはAmazonブランドだということはわかりにくい。しかし1010dataが今週発表したレポートによれば、Amazonのプライベート・ブランドは活況を呈している。またAmazonBasicsや子供服のScout + Ro、Amazon Elements、またAmazon製デバイスのEcho、Kindle、Fire TVなどAmazonの名前を冠したブランドも急成長している。
1010dataはこれまでもAmazonのプライベート・ブランドを追跡しており、このレポートには詳しいアナリティクスが掲載されている。
今年上半期、Amazonのプライベート・レーベルは総販売点数の2%を占めるだけだった(マーケットプレイスへの出品、サービスのサブスクリプションを除く)。しかしAmazonのプライムデー・セールスの期間中、この割合は12%にも拡大していた。
実はAmazonBasicsはこの分野で今年トップのパフォーマンスを示している。AmazonBasicsには「毎日必要なアイテム」が多数取り揃えられている。スマートフォンの充電器からHDMケーブル、bluetoothスピーカー(Alexaを除く)のようなエレクトロニクス製品、各種オフィスサプライ、シーツ、バスタオル、ペット用品まで品揃えは充実している。トータルで2000種類近いプロダクトを取り扱っており、これまでのところAmazonのプライベート・ブランドとしては最大のものだ。
1010dataの調査によれば、2017年上半期のAmazonBasicsの売上は2億ドル以上になったという。
AmazonBasicsに続くのはエレクトロニクスで分野で、これにはEcho、Fire TV、Kindleが含まれる。上半期の売上はそれぞれ1億2000万ドル、1億1000万ドル、
7500万ドルだった。エレクトロニクス製品をすべてトータルするとAmazonのプライベートブランドの売上の55%となるという。 この急成長の主役はEchoで対前年比で2倍(101%アップ)だった。またKindle Fireの売上はほとんど3倍(184%アップ)となっている。
Amazon ElementsはAmazonのプライベート・ブランドでいちばん歴史が長い。ヒット商品は赤ちゃん用おしりふきのベビーワイプだが、最近取扱品目にビタミンとサプリを加えた。 このブランドも上半期に950万ドルを売り上げている。
最近加えられた新しいブランド、ベッドのシーツやバスタオルなどを扱うAmazon Pinzonは660万ドル、昨年スタートしたスナックのブランド,、Happy Bellyも同期に200万ドルの売上となっている。
さらに最近Amazonはファッション・ビジネスにも力を入れており、品揃えの拡大中だ。一部のブランドはすでにかなりの反響を得ている。女性向けアパレルのLark + Ro、男性向けドレスシャツのButtoned Down、またAmazon Essentialsのアパレルもトップ10入りしている。
中でも子供服のブランド、Scout + Roは対前年比542%のアップともっとも伸びが著しい。この急成長は品揃えの拡大と歩調をあわせたもので、昨年に比べて取り扱う種類も5倍に増えている。紳士靴のFranklin & Freemanも成長中だ。
とはいえ、プライベート・ブランドのすべてがバラ色ではない。たとえばPinzonは上記のように今年上半期で660万ドルの売上を得ているものの、対前年比では28%のマイナスとなっている。
またこのレポートによれば、Amazon Elementsが口コミ評価では群を抜いており、 42%と他のAmazonの4倍以上になっている。
また1010dataはアイテムをSKU〔単品管理〕で分析しており、プライベート・ブランドではAlexa Voice Remot機能つきの Fire
TV Stickがトップセラーとなっている。続いて黒のEcho Dotスピーカー、さらにAmazonBasicsのプロダクトが続く。Echo、白のEcho
Dotもトップ10に入っている。EchoデバイスはPrime Dayのベストセラーだったことを考えると意外ではない結果かもしれない。【略】
1010dataは契約上の守秘義務を理由としてデータのソースを明らかにしていないが、用いた情報は全体として「オフラインおよびオンラインにおける消費者の購入動向を独自に収集したもの」だと述べている。
画像: Ross D. Franklin/AP
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)