物流ラストワンマイルのDX目指す207が5億円調達、サービスの機能追加や外部システムとの連携機能開発

物流ラストワンマイルのDXを目指す207が5億円のシリーズA調達、サービスの機能追加や外部システムとの連携機能開発

物流業界のラストワンマイルのDXを目指す207(ニーマルナナ)は10月6日、第三者割当増資による総額約5億円の資金調達を発表した。引受先は、環境エネルギー投資、Logistics Innovation Fund、Headline Asia、DG Daiwa Venturesの計4社。調達した資金により、サービスの機能追加や外部システムとの連携機能開発、さらなる事業拡大・サービス成長にむけた採用活動の強化を行う。シードラウンドを含めた累計調達額は約5億8000万円となった。

同社によると、調達した資金は具体的には以下にあてるという。

  • 物流・配送利用者向けに再配達問題を解決する「TODOCU」(トドク)において、配送状況のリアルタイム確認を実現する機能追加
  • 配達員向け配送効率化アプリ「TODOCUサポーター」では、集荷関連業務すべてを一元集約し業務効率化を実現する機能追加
  • 物流・配送事業者向けの配送管理システム「TODOCUクラウド」において、物流会社および荷主のシステムとのAPI連携機能を開発

今後は、配送事業者・配送員の配送効率化をより高めるサービスを提供し、物流のラストワンマイル市場ですべての配送員が利用するようなインフラサービスへの進化を目指すという。2022年には日本全体の配達員の50%、10万人が活用するサービスを目指し、物流業界の人材不足などの課題解決に寄与したいとしている。物流ラストワンマイルのDXを目指す207が5億円のシリーズA調達、サービスの機能追加や外部システムとの連携機能開発

現在、コロナ禍によって生活者の巣ごもり需要が高まり、特にEコマース分野において顕著な変化が出ており、2020年の宅配便の取扱個数は約48億個と、前年度と比較し約11.9%増加しているという(国土交通省「令和2年度宅配便取扱実績について」)。

その中で物流業界では、人材不足や新人教育コストの増加、再配達問題、属人的管理作業の慢性化などをはじめ、以下のような課題が顕在化しているそうだ。

・​ドライバーは配送中に電話を受けるため都度停車する必要がある
・ドライバーが配送中に電話を受けることで気が散り事故の原因につながる
・ドライバーの配送状況を逐一確認しなければならない

207は、これら課題を解決すべく「いつでもどこでもモノがトドク世界的な物流ネットワークを創る」をコーポレートミッションに掲げ、2019年9月よりTODOCU、2020年2月よりTODOCUサポーターの提供を開始した。2020年5月には、人々の空き時間を利用して荷物を配達するシェアリング型宅配サービス「スキマ便」、同年12月にはTODOCUクラウドも提供している。

これらにより「配送状況をリアルタイムで一元管理可能」「ドライバーに土地勘がなくても視覚的に届け先を把握でき業務を効率化できる」「ドライバーが効率のよいルートで配送網を回れる」などが可能なことから、サービスローンチから約2年の現在、物流・配送事業者の従業員も含め1万5000名以上の配送員が利用しているという。

物流業界のラストワンマイルのDXを目指す「207」が配送員や荷物の管理サービス「TODOCUクラウド」提供

物流業界のラストワンマイルのDXを目指す「207」が配送員や荷物の管理サービス「TODOCUクラウド」提供

物流業界におけるラストワンマイルのDXを目指す「207」(ニーマルナナ)は12月21日、配送員や荷物を効率的に管理できる物流事業者(法人)向け新サービス「TODOCUクラウド」の提供開始を発表した。

配送状況の確認や配送員とのコミュニケーションが可能な荷物の受取人向けサービス「TODOCU」、自動生成の配達マップや受取人の在宅情報や荷物情報を管理できる配達員向けアプリ「TODOCUサポーター」(Android版iOS版)と組み合わせることで配送効率を向上させ、人材不足問題、新人教育コストの増加、再配達問題、属人的管理作業の慢性化など様々な課題を解決するとしている。

物流業界のラストワンマイルのDXを目指す「207」が配送員や荷物の管理サービス「TODOCUクラウド」提供

TODOCUクラウドは、配送員の動態管理、受取人とのコミュニケーション、荷物の配送ステータス管理、荷物情報管理、共有メモ管理といった機能を搭載。配送効率の向上と、物流業界の抱えるあらゆるコストの大幅削減を実現する。

    • 配送員の動態管理:自社の荷物を取り扱う配送員の位置情報をリアルタイムに管理。その情報を用いることで、急な配送案件や集荷案件が発生した際にも、適切な配送員による配車を実現可能
    • 受取人とのコミュニケーション:SMSメッセージなどを介して、管理画面から受け取り主とのコミュニケーションが可能。「在宅確認」「時間指定確認」「発送確認」「配送完了確認」「配送クオリティレビュー」などの情報取得に役立つ
    • 荷物の配送ステータス管理:すべての荷物の配送ステータスを一覧で確認可能。既存システムとの連携にも対応しており、ひとつの画面でステータスを一元管理できる。また、一覧からの絞り込みや検索機能も実装しており、荷主や受取人からの問い合わせにも素早く対応できる
    • 荷物情報管理:伝票写真や、置き配の完了時に撮影する荷物写真、チャットのやり取りの履歴を保存可能。いつでもさかのぼって閲覧できるため、顧客とのトラブルを未然防止できる
    • 共有メモ管理:TODOCUサポーターで取得したすべての物件に関連する情報を一覧で確認可能。この機能により、効率の良いオペレーションを実現、教育コストの削減に貢献する

近年Eコマース市場の急速な伸長などに伴い、国内における宅配便の取扱個数は年々増加し、平成24年度(2012年度)には35億個を突破、現在では約43億個を突破したという。一方で、消費者向けなど配送を担う中小型トラック運転者の労働時間は全産業平均よりも年間456時間(月38時間)長く、再配達問題による過酷な労働環境も社会的な問題として指摘されている。

特に、都市圏外における配送員の多くは配送業者と委託契約を結んだ個人事業主が占めており、かつ配送員の収入は配送個数に応じた成果報酬(1個100~200円程度)とされ、「再配達」における配送の非効率は時間や燃料費などを負担する個人配送員にかかる実質的なコストと同等として、問題視されてきた。

また、配送のルート設定や荷物受取人の在宅時間といった配送にまつわる情報も属人的な管理になっていることからも、ラストワンマイル配送におけるノウハウやデータの蓄積が進みにくく、Eコマース市場の拡大による宅配業界の環境変化への対応も遅れているのが現状という。

これら社会課題は物流事業者の課題にも直結し、あらゆる非効率が発生。先に挙げた人材不足問題、新人教育コストの増加、再配達問題、属人的管理作業の慢性化など種々の問題につながっており、207は、TODOCU、TODOCUサポーター、TODOCUクラウドといったTODOCUシリーズがその解決を行えるものとしている。

物流業界のラストワンマイルのDXを目指す「207」が配送員や荷物の管理サービス「TODOCUクラウド」提供

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