737 MAXの墜落事故を受けてボーイングCEOが退任、後任は現取締役会長

Boeing(ボーイング)は米国時間12月23日、CEOのDennis A.Muilenburg(デニス・A・ミューレンバーグ)氏のCEO辞任を発表した。2020年1月13日からは、現在の取締役会長であるDavid L.Calhoun(デビッド・L・カルホーン)氏が同社の最高経営責任者兼社長に就任する。

今回のボーイングの人事は、犠牲者も出てしまった墜落事故を起こした737 MAXの故障に端を発している。ボーイングは737 MAXによる事故犠牲者の家族やコミュニティへの基金に1億ドル(約110億円)を拠出するなど、その危機と影響に対処するための措置を講じてきた。また同社は最近、737 Maxの生産を停止し、その飛行に対する再認証を保留してきた。

経営陣交代に関する声明の中で、Boeingの新しいCEOとなるカルホーン氏は「ボーイングと737 MAXの将来を信じている」と語り、同社の優先課題は「737 MAXを安全に再運行させること」だと述べた。また、「FAA(連邦航空局)やその他の世界的な規制当局およびその顧客との、効果的かつ積極的なコミュニケーションを含む、完全な透明性への新たな取り組み」を宣言した。

ボーイングはその他にも今週、民間宇宙船「CST-100 Starliner」が国際宇宙ステーション(ISS)への最初のテスト飛行を完了できず、ミッションを中断している。

 

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ボーイングのQ2決算は737 Max墜落事故で5000億円損失

ボーイング737 Maxの大失態は、同社の評判に暗い影を落としただけでなく、財政的にも大きな打撃を与えている。

シアトル拠点の航空機メーカーは、737 Max機の度重なる墜落事故のために、税引き後49億ドルという莫大な損失を計上したと 発表した。ボーイングはこの負債について「737 Max墜落に関連する顧客への補償やその結果起きた遅延などによる」と言っている。

ボーイングは第2四半期決算を来週報告する予定だ。同社の株価は米国時間7月18日にこの発表があった後の時間外取引で2%高だった。

「当社は今も737 Maxの安全な航行を取り戻すことに集中している」とボーイングCEO Dennis Muilenburg氏が声明で語った。「今はボーイングにとって歴史的な瞬間。われわれの飛行機を利用する乗客や乗務員の安全は当社にとってなによりも重要だ。MAXの墜落事故は大きな逆風であり、今四半期にもたらした財務的影響は、現在の課題を示すとともに、将来の財務リスクへの対応に役立つだろう」

1株当り8.74ドルという損失が、202.7億ドルに達すると予想される同社のQ2売上から得られる利益を吹き飛ばしてしまうことは間違いない。

この膨大な負担もまだ始まりに過ぎないかもしれない。将来の売上や会社の評判に与える事故の影響や、悲惨な事故を繰り返さないための検証がまだまだ続く。

現在ボーイングは、737 Maxの規制当局による承認を2019年第4四半期と見込んでいるが、事故の影響はさらに続くだろうと認識している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook