飲食を楽しめる映画館「Alamo Drafthouse」がオンデマンドストリーミングを開始した理由

我々がまだ映画館に行けたころ、映画を見ながら飲食を楽しめるAlamo Drafthouse(アラモ・ドラフトハウス)は私にとって唯一無二の場所だった。上映中の観客のおしゃべりは一切禁止、そして素敵なビールの品揃えでも知られるこの場所は、私のパラダイスだ。楽しみにしている映画があれば、1時間余計に車を走らせてでもAlamoに見に行ったものだ。

どこの映画館もそうだが、Alamoの運営も当然のことながら悲惨だ。新型コロナウイルス感染拡大が落ち着くまでは休業している。この時期にAlamoは「Alamo On Demand」というストリーミングサービスを開始した。

オンデマンドビデオプラットフォームの構築は技術的に難しく、40館程度の比較的規模の小さい映画館のチェーンが自前で取り組むようなものではない。そこでAlamoは、ScreenPlusと提携してサービスを構築している。

Alamoが映画のキュレーションと選択を担当し、ScreenPlusがDRMやジオブロッキング(位置情報に基づくアクセス制限)など技術的な部分を担当する。このプラットフォームで配信される映画の大半はレンタルと購入の両方に対応し、価格はタイトルにより異なる。

Alamoは、タイトル数は無尽蔵で太刀打ちできないGoogle PlayやAmazonに対抗しようとしているわけではない。Alamoが提供する映画は、同社のスタッフが個人的に推薦している作品だ。ここにある作品はAlamoのお墨付きというわけだ。

「地獄の黙示録」や「パラサイト」のような有名作品から、誰かが勧めてくれなければ見逃してしまうようなカルト的な作品まで、幅広く、じっくり見たいラインアップになっている。これがまさに、このサービスの狙いだ。

Alamoによれば、現在公開されているのは最初のビルドで、さらに開発を進めているという。現在、iOSとAndroidのアプリを開発中だ。またAlamo Victoryプログラムとも紐づけて、以前にシアターで見た作品は割引価格で購入できるなどのサービスも目指している。

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(翻訳:Kaori Koyama)