最初の進出計画のときと同じように、Amazonがニューヨーク市のクイーンズ区に第二本社を作らないという今日のニュースは、好悪さまざまな反応の洪水に見舞われた。企業誘致に賛成な人びとや不動産業界は、荷物をたたんで出て行くというリテール巨人の決定を非難している。本誌にも今日(米国時間2/14)の午後いっぱい、いろんな立場に人たちからの反応が押し寄せたようだ。
一方地元の政治家たちは、そのニュースをむしろAmazon自身の足元に突っ返しているようだ。
本誌TechCrunchに提供された声明でニューヨーク市長のBill de Blasioは、Amazonの変節について、いかにもニューヨークらしい辛辣な感想を述べている:
“ニューヨークでそれをやるには、よほどの覚悟が必要だ。われわれはAmazonに、世界でもっとも偉大な都市における良き隣人となり、事業を行なう機会を与えた。しかしAmazonは、コミュニティと協働する代わりに、その機会を投げ捨てた。われわれには世界最良の人材がいて、毎日のように、より強力で万人にとってより公平な経済を育てている。Amazonがその価値を認識できないなら、そのコンペティターが認識するだろう”。
もちろん、de BlasioはAmazonの最初の決定のキーマンだった。市長は、Amazonに対する税の巨額な優遇措置などを取り決めた‘密室の協議’を多方面から批判された。わずか三日前には彼は、その計画を“ミッションクリティカル”と呼んだ。
市長の現在の立場はどうやら、本来の彼らしくないもののようだ。
一方Corey Johnson議長は、最初から反対派の先頭に立っていた。彼はAmazonの代表者たちが呼ばれた市議会の会議で、税の優遇措置や都市インフラ、そして同社が長年、社員の組合結成に反対していることを問題視した。
彼の声明はこう述べている: “私が一緒に仕事をしたいと願う企業は、ニューヨーカーたちと積極的に関わりを持ち、世界で最良のビジネスの町であるニューヨーク市が抱えるさまざまな課題に、共に取り組んでいける企業だ。私はこれが、ハゲタカ資本主義とわれわれの血税の最良の使い方に関する、会話の始まりになることを希望する。そう、私ならヘリパッドではなく大量輸送公共交通機関を選んだだろう”。
当然ながら、ニューヨーク市のDSA勢力たちも、やはり祝賀ムードだ。彼らの声明に曰く: “Amazonの進出は、労働者階級のクイーンズ区の住民とニューヨーカーたちを資本主義が抑圧するやり方の、ひとつの例にすぎない。何百万人ものニューヨーカーたちが未だに、基本居住権すら認められず、家賃の値上げや退去命令、追い立てなどの脅威におびえている”。