MicrosoftがAPI管理のApiphanyを買収してWindows Azureに統合

Microsoftが、Windows Azureに統合する目的で、API管理のApiphanyを買収した。買収の条件は公表されていない。

この買収に関する短い記事がWindows Azureのブログにあり、その中で、APIの重要性が増しているが、APIを信頼性とセキュリティとスケーラビリティを伴って露出するためにはより高いレベルの管理が必要だ、と言っている。記事の中でMicrosoftのゼネラルマネージャ曰く: Apiphanyはどんなサイズの企業にも、何らかのエンドポイントを露出するために必要なツールを提供し、また機密性のあるデータやサービスへの選択的なアクセス制限を行う。

ワシントンD.C.に社籍のあるApipahnyは、Washington Postなどの顧客企業に、APIを管理するためのポータルを提供する。APIアナリストのKin Laneは5月に書いたリビューの中で、ApiphanyにはAPIの展開と消費のための三つの主要成分がある、と言っている。複数のAPIを管理する際のオペレーションを管理する能力、APIのリソースとオペレーションのさまざまな組み合わせへのアクセスを提供するデベロッパ向けサービス、そして三つめが、このプラットホームに登録されているアプリケーションへのアクセスだ。

Apiphanyの買収は、API管理の市場に整理統合が進んでいることを示している。今年はIntelがMasheryを1億8000万ドル以上で買収し、またCAはLayer 7を、MulesoftはProgrammable Webを買収した。Facebookもこの渦に飛び込んできて、Parseを買収した。

Apiphanyのような使いやすいAPI管理プラットホームが次々と独立サービスでなくなることは、デベロッパにとって残念だろう。同社の利用料は月額50ドルだった。今市場と投資家に注目されつつある類似サービスの多くはデベロッパよりもむしろエンタプライズを対象とし、Apiphanyほどお安くはない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


モバイル開発プラットホームAppceleratorが高度なAPIアグリゲータSinglyを買収, いよいよ業界の地固め期に

モバイル開発のためのSaaSプラットホームAppcelerator(開発ツールTitaniumなども提供)が、Webとモバイルのアプリケーション開発においてサードパーティサービス(各種API呼び出し)を管理するプラットホームSingly買収した。買収の金額条件などは公表されていない。Singlyは、同社のAppFabricサービスとDataFabricサービスをAppcelerator PlatformおよびTitaniumに統合する作業をただちに開始する。

Singlyは3年前に創業され、昨年12月に公開ベータに入った。本誌のSarah Perezは当時、Singlyは(アプリが呼び出す)サードパーティのサービスでユーザを認証したり、いろんなソーシャルネットワークやそのほかのサービスからデータ(フレンドリスト、写真、プロファイルなど)を取り込んだりするコードを、簡単にはやく書けるようにする、と紹介していた。アプリケーションの中で、ユーザが複数の異なるソーシャルネットワークで共有することも、可能にする。こういう、複数サービス横断型の総合API管理デベロッパサービスのことを、同社は“app fabric(アプリケーションの織物)”と呼んでいた。Singlyはほかにも、データのシンク、ストレージ、データの重複排除、データのクェリとフィルタリング、などの便宜をデベロッパに提供する。

SinglyのファウンダJason Cavnarは、それまでソーシャルリーダー(reader)のNsyghtにいた。Jeremie Millerは、インスタントメッセージングのオープンソースプロトコルJabber/XMPPの発明者として有名だ。そしてもう一人のファウンダが、Simon Murtha-Smithだ。

APIアナリストのKin Laneにメールでインタビューしたら、こう言った: “いろんな有力APIを利用したアプリケーションを書くとき、それらのAPIのユーザ認証とか統合といった面倒な部分を、全部Singlyが面倒見てくれる。面倒なだけでなく、各APIごとにユニークなoAuthとAPIエンドポイントをバランス良くナビゲートするのが難しい。今度の買収でSinglyのファンが増えるだけでなく、開発プラットホームとしてのAppceleratorの魅力も高まる。APIアグリゲータはほかにも数社あるが、この方面で(Singlyのファウンダ)Jeremie Millerの専門知識・技能にかなう者はいない”。

Singlyがデベロッパたちの注目を浴びているのも、その血筋の良さと、技術に対する深い理解、そしてオープンソースやコミュニティに対する情熱のためだ。その姿勢は、合衆国の主要都市を巡回して行われるAPIs&IPAsツアーにも表れている。同社のブログによると、そのイベントはミートアップでもカンファレンスでもハッカソンでもなく、とにかく、楽しい時間を過ごすことだ、という。同社は各都市の地元のテク企業とパートナーし、地元スタートアップになじみのバーを選び、テクコミュニティを惹きつけるためにイベントを宣伝する。まさに、デベロッパマーケティングの王道だ。

この二社の合体は、API管理という業界分野における一つの節目だ。これまでの数か月で、IntelがMasheryを買収CAがLayer 7を買収、そして著名なAPIデータベースProgrammable WebをMulesoftが買収するなど、業界の再編成が激しく進んでいた。Appcelerator + Singlyは、その総仕上げだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))