アップルは完全な自動運転車の2025年販売を目指すとの報道

Apple(アップル)は、長年開発を進めてきた電気自動車の焦点をより明確にしようとしているのかもしれない。Bloombergの報道によると、Appleは現在、半自動運転機能を備えた従来型の車両ではなく、完全な自動運転車に関心を移しているという。新しいプロジェクトリーダーであるKevin Lynch(ケビン・リンチ)氏は、最初のモデルを自分で運転することを望んでいると関係者は述べています。

同社は、それに合わせて計画を加速させているという。Appleは最近、5〜7年後の発売を目標にしていたが、関係者によると現在、2025年つまりわずか4年後を目指しているとのことだ。しかし、この計画は「流動的」であり、予定どおりAppleが完全な自律型システムを完成させることを軸にしている。同社は、自動車のプロセッサーに関する「中核的な仕事」の多くを終えたとされる。

また、Appleは、ラウンジのようなシート、中央にタッチスクリーンのインフォテインメントシステム、そしてハンドルもペダルもない「理想的な」インテリアを念頭に置いているとの情報もある。さらに緊急時用の引き継ぎ運転モードも検討されているとのことだ。

Appleはコメントを控えている。この新しい優先事項は、役員の退任弱気なパートナーなどでこれまで何度も挫折を経験してきたプロジェクトに役立つことになるだろう。また、VWのように、同時期に完全自動運転またはそれに近い自動運転を提供することを計画している既存の自動車メーカーと肩を並べられるかもしれない。しかし、完全自動運転には、予測が難しい交通事情や雪などの天候問題など、多くの課題がある。Appleがクルマの発売を遅らせたり、少なくとも運転手に一定の条件で運転を代わってもらう必要があったとしても不思議ではない。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のJon FingasはEngadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunchCron

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(文:Jon Fingas、翻訳:Katsuyuki Yasui)

「アップルカー」実現に向け前進、BMW i3やi8の開発を指揮した新興EV企業Canoo元CEOがアップルに

Apple(アップル)は「Apple Car(アップルカー)」の呼称で噂されている自動車プロジェクトの開発を促進させるため、電気自動車会社Canoo(カヌー)の共同創業者で元CEOだったUlrich Kranz(ウルリッヒ・クランツ)氏を雇用したと、Bloombergが無名の情報源を引用して最初に報じた。TechCrunchがアップルに確認したところ、同社はクランツ氏の雇用を認めたが、職務内容や肩書きなどの詳細は明らかにしていない。

Canooが上場と新たなリーダーシップチームの結成に向けて舵を切った後、2021年4月にクランツ氏は同社の役職を辞任。それから数週間のうちにクランツ氏はアップルに引き抜かれたと報じられていた。今回のニュースが伝えられる数カ月前には、アップルのTim Cook(ティム・クック)CEOが、謎に包まれたApple Carに、自動運転技術が主要機能として搭載されることを示唆している。自動車業界の最先端で数十年の経験を持つ幹部を雇用したことは、アップルが自動車の製造計画を進めていることを明確に示すものだ。

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クランツ氏は、BMW AGの電気自動車部門で上級副社長を務めていた時に、スポーティな電気自動車「i3」と「i8」の開発を監督した。この経歴は、将来のApple Carにおける潜在的な美学について、我々にヒントを与えてくれるかもしれない。匿名の情報筋によれば、クランツ氏は、現在Apple Carプロジェクトの責任者を務めるDoug Field(ダグ・フィールド)氏の直属になるという。フィールド氏は、かつてTesla(テスラ)で「Model 3(モデル3)」の開発を指揮した人物だ。

アップルは依然として、その自動車の計画について口を閉ざしている。Reuters(ロイター)が12月に発表した記事によると、アップルは2024年までに「画期的なバッテリー技術」と「自動運転技術」を備えた電気自動車を生産する意向だという。それ以外には、どのようなクルマになるのか、どこが製造するのか、といったことは誰にもわからない。しかし、アップルがハードウェアとソフトウェアの両方を開発するだろうということは想像に難くない。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:AppleApple Car電気自動車自動運転

画像クレジット:Canoo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ティム・クック氏が自動運転技術とApple Carについてヒントを出す

Apple(アップル)のCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏は、米国時間4月5日に公開されたインタビューで、大きな期待を集めるApple Carと、その重要な機能となるであろう自動運転技術の方向性について遠回しに語った。

「自動運転そのものがコア技術だと私は考えます」とクック氏はポッドキャスト「Sway」(スウェイ)でKara Swisher(カラ・スウィッシャー)氏のインタビューに応えて話した。「一歩下がって見れば、このクルマ、いろいろな意味でロボットです。自動運転車はロボットなのです。そのため自動運転では、いろいろなことができます。そこに、Appleがするべきことが見えてきます」。

多くを語らないよう言葉を控えるクック氏は、Appleが自動車を生産するのか、あるいはその車載技術を開発するのかというスウィッシャー氏の質問には正面から答えなかった。ただ同氏は、Project Titan(プロジェクト・タイタン)は中間地点に達していることをほのめかした。

「私たちは、ハードウェアとソフトウェアとサービスを統合して、その交差点を探し出すことを身上としています。そこに魔法が起きるからです」とクック氏。「そして私たちは、そこに関わる主要技術をぜひとも手にしたいのです」。

これに対してスウィッシャー氏はこう尋ねた。「よろしければ、自動車に関してその点をお聞かせ願えませんか。自動車のことが知りたいのです」。

私も知りたい。

マイクロモビリティー業界では、電動スクーターは車輪がついたiPhoneみたいなものだと考える人間が多い。だが、Apple Carは、もっと実質的に車輪つきiPhoneになるはずだ。Appleは、ハードウェアとソフトウェアのすべてを所有することでよく知られている。そのため、Apple Carの開発のためにAppleのエンジニアが自動車メーカーと密接に作業を進め、いつかその中間業者を排除して自分たちが自動車メーカーになったとしても、別段驚きはしない。

いわゆるProject Titanは、2019年の大量一時解雇のために、一般の目に触れる前に頓挫する危機に瀕しているかに見えた。しかし、最近の報告によれば、プロジェクトは現在も健在で、2024年までに自動運転電気乗用車を生産する予定に変わりはないという。

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2021年の初め、AppleとHyundai(現代自動車)傘下のKia(起亜自動車)は、ジョージア州ウェストポイントにあるKiaの工場でAppleブランドの自動運転車を生産するための契約を間もなく締結するとCNBCが伝えた。AppleがHyndaiに興味を示している件に詳しい情報筋は、Appleは、クルマに搭載されるソフトウェアとハードウェアの主導権を握らせてくれる自動車メーカーと提携したいのだと聞かせてくれた。

この契約は合意に達することなく、2021年2月に交渉が打ち切られたとを複数メディアが伝えている。しかし、Appleは日産などの自動車メーカーや、さらにはスタートアップも含むサプライイヤーと、以前から繋がりを作っているなど、Appleとその計画に関する大量の噂や報道が、それで止まることはなかった。

Apple Carがどのようなかたちになるかはまだ不透明だが、ロボタクシーや配送トラックではなく乗用車ということで、Tesla(テスラ)などと競合することになるのだろう。

「彼が作り上げた企業には大きな賞賛と尊敬の念を抱いていますが、イーロンに話を持ちかけたことはありません」とクック氏。「Teslaは、EV分野の主導権を確立しただけでなく、実に長い期間それを維持するという快挙を成し遂げました。なので私は、彼らを大変に評価しています」。

Project TitanはDoug Field(ダグ・フィールド)氏が率いている。彼はTeslaでエンジニアリング上級副社長を務め、Model 3発売の立役者となった人物だ。

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タグ:AppleTim Cook自動運転EVApple CarTesla

画像クレジット:David Paul Morris / Bloomberg / Getty Images

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:金井哲夫)