Dropboxは、あなたの写真保管場所になりたがっている

ここ数年Dropboxを見てきた人にとって、今日発表された新機能は何の驚きでもないだろう。Mac版アプリに、スクリーンショットを自動的に検知し、アップロードしてリンクで共有できる 新機能が追加された。

これはCloudappなどのアプリが存在する主な理由であり、Dropboxはその邪魔をしようとしている。しかし、実際にはこの機能を便利に感じるのはDropboxユーザーの一部だけだ。スクリーンショットの自動アップロードは「インターネット・ピープル」にとってはすばらしいだろう。ジャーナリスト、Twitterのヘビーユーザー、アプリ開発者、デザイナー、および協同作業チーム等の人々だ。これは、〈わずかな〉一部ではなく、私もCloudAppの代替を手に入れたことを喜んでいる。また、Dropboxがこの機能をサポートしたいう理由〈だけで〉、スクリーンショットの共有がより一般的になると私は信じている。どうしても皮相的な見方をしたければ、この機能は日頃から〈大量の〉スクリーンショットを撮る ― そしてこの機能について記事を書くであろう(hi!</a)ジャーナリストに対するファンサービスだと言っても構わない。

しかし、今日はもう一つの発表の方がずっと大きい。iPhotoライブラリー全体をDropboxにアップロードし、イベント毎に整理するまでを一気に行うインポートツールだ。

以前Dropboxは、iPhoneやAndroid端末で撮影した写真を自動的にアップロードする機能を発表した。今日の発表がこれらと異なるのは、過去の、Dropbox以前の写真も含めて全てコピーすることだ。

これは、Dropboxビジネスのロードマップを考える上で重要な一歩だ。もし、今の「押し」のゴールが、ユーザーの写真保管場所の標準になるためであるなら ― そうだと私は信じている ― これで何が可能になるのか。もし、スマートフォンやデジカメで撮った写真の全部が自動的にアップロードされるようになると、答えは「たくさん」だ。

何よりもあなたは、驚くほど強力な〈囲い込み〉にあう。もちろんファイルは自分のものであり、いつでもダウンロードして他のクラウドに持っていくことはできる。しかし、囲い込まれるのは「データ」だけではない。Dropboxが「安全に保管している」という「記憶」もだ。もし、別のプラットフォームに移ったときに、主要な保管場所としてDropboxから離れる理由はあるのか? 使っているどのプラットフォームにも自動アップロードを設定していれば、「入ったら、入ったまま」になる可能性は高い。

ここまで書くと、AppleやGoogleが写真をどうしようとしているかが気になるだろう。AppleはiCloudを使って、ユーザーがiPhone(多くの人がメインのカメラとして使っている)で撮った写真を最優先で捕えている。Googleも、Google+の写真で同じことをしている。そして、サードパーティーであるDropboxは、自動化ツールによって両方からさらっていこうとしている。Dropboxに乗る、ということは、iOSとAndroidの間を行き来しても、写真はクラウドで自由に利用できることを意味している。Googleは、iOS用G+アプリで利用することを可能にしているが、どちらかといえば片道切符だ。

ここで改めて思い出されるのは、スティーブ・ジョブズが、Dropboxのパートナー、Arash FerdowsiとDrew Houstonの2人と行ったとされるミーティングだ。ジョブズはHoustonに、君には機能はあるが商品はないと言い、Appleが「クラウドストレージ」市場で後を追うところだと告げた。当時Dropboxが、消費者市場で写真に注目することを考えていたかどうか私にはわからないが、ユーザー行動の検証を数多く重ねた結果今に至ったのだろう。

しかし結局Dropboxは、スタンドアロン機能として存在している方が、他の主要エコシステムの交換可能な歯車の一つとして生きるよりも得策かもしれない。つまるところiCloudも本当に信頼できるとは言えず、Googleは、データを広告に活用する以外の関係を顧客との間に築いたことがない。中立的なサードパーティーの一「機能」が、実は私たちの写真を安全に保管する最良の方法なのかもしれない。もちろん、存続する方法をDropboxが見つければの話ではあるが。

画像提供:Frédéric BISSON/ Flickr CC

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(翻訳:Nob Takahashi)