オンライン英語スクールのベストティーチャーがベネッセと提携、GTEC CBT対策コースを提供

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英語が苦手な日本人は多い。中学と高校の6年間で英語を履修しているにも関わらず、2013年度のTOEFL国別ランキングでは日本はアジア31カ国中26位だ。中でもスピーキングのスコアはアジア最下位であり、座学型カリキュラムの弊害と言えるだろう。インターネットの普及でグローバル言語としての英語が存在力を強める中、この英語力の低さは由々しき問題である。

文部科学省もこの点は認識しており、2020年の大学入試センター試験廃止に伴い英語試験もこれまでのリーディング、リスニング中心(2技能)のものから、英検やTOEFLなどの民間による試験を活用し、スピーキング、ライティングを含めた4技能評価を導入するとしている。

ベストティーチャーの提供する「ベストティーチャー」はそんな4技能を総合的に学ぶためのオンライン英語スクールだ。自分が話したいことを英文で書き、それをオンラインで講師が添削、正しい英文を読むことができる。さらに講師の録音する英文を聞いた上で、Skypeで実際に講師と会話をする。そんなベストティーチャーが6月15日、オンラインスクールで初めてとなる「GTEC CBT対策コース」を開講した。

GTEC CBTというのはベネッセコーポレーションが2014年8月より提供している4技能対応英語試験の名称。年間約73万人が受検する「GTEC for STUDENTS」をベースにしており、すでに多くの大学で入試に活用されている実績がある。2021年にはセンター試験が廃止されるなど大学入試改革が行われる。その際には4技能試験の重要性が増していくと考えられるが、ベストティーチャーはいち早くその流れに乗った形だ。

ベネッセ公認の対策コースとなっており、公式問題集に掲載されている問題を元に、トレーニングを受けたネイティブの講師から学ぶことができる。料金は月額1万6200円で、ベストティーチャーの通常コース(月額9800円)に加え、GTEC CBT対策用のカリキュラムを受講できる。

ベストティーチャー代表取締役社長の宮地俊充氏は、入試の改革に伴い勉強方法にも改革が必要な時代だと訴える。「親の世代には無かった方法でありコストをかける事に抵抗があるかも知れないが、『オンラインで話すのは当然』という世の中にしたい」(宮地氏)

なお、同社は英語4技能試験の対策情報サイト、4skillsもリリースしている。GTEC CBTのみならずIELTSやTEAP、TOEIC SWなど英語能力判定テストの情報を掲載する。

オンライン英会話サービスのBest TeacherがGMO、SMBCから総額5,110万円の資金調達を実施

Best Teacher ロゴ

本日Best Teacherが5,110万円の資金調達を実施したことを発表した。第三者割当増資によるこの資金調達の引受先はGMO VenturesPartners、SMBCベンチャーキャピタルだ。Best Teacherはすでに昨年1月にサイバーエージェント・ベンチャーズから資金を調達している。なお、今回調達した資金は提供サービスの拡充、マーケティング、法人営業の強化に充てるという。

Best Teacherに関しては本誌でもサービスリリース時に取り上げたが、簡単に説明するとあるテーマに沿って講師と生徒がチャットで会話をする。その会話をテキストとし、実際にSkypeで会話を行うというサービスだ。

同社代表取締役社長の宮地俊充氏はサービスリリース時には従来のオンライン英会話ではありきたりなテキストを用いているので、頭に残りにくく、実際に使える場面が少ない。だから、Best Teacherでは自分でテキストを作り、リアリティのある会話を練習することで学習効果がさらに得られるのではないかという話をしてくれた。

宮地氏はサービス開始の昨年5月から10カ月が経過し、少しずつ結果が出てきており、この学習方法には効果があると言えそうだという。英会話サービスは6カ月程継続するのが平均的だそうなので、まだ結論とまでは言えないが自分が一番必要としている会話を練習しているので使える場面が多いことはユーザーからの評価が高いそうだ。

さて、オンライン英会話最大手のレアジョブが2007年にサービスを開始して15万人の会員(入会人数なので有料会員数ではない)を獲得していることを考えると、サービス開始から10カ月で数千人の会員を獲得したというのは順調と言えるだろう。

この成長の要因の1つはモバイルだと宮地氏はいう。Best Teacherは講師とチャットをする際には、もちろんモバイル経由で行える。モバイルでビジネスマン、大学生がスキマ時間にチャットを行え、「いつでも、どこでも」学習できることが大事だという。

英会話学習は昔からあるが、オフラインでの対面から始まり、インターネットを通じて自宅でも学習できるようになった。そして次のシフトはモバイルで学習できることだそうだ。モバイルでも学習できることで場所と時間に捕われないサービスを目指すという。

今後の展開としては、マーケティングやサービス全体の改善はもちろんだが、モバイルでのサービス価値の向上と法人向けのサービスに力を入れるという。

モバイルではデスクトップの機能をそのままモバイルに最適化するのではなく、デスクトップとモバイルを合わせることで全体の価値が向上するような機能を考えているそうだ。

法人向けのサービスとしては、これまでのサービスで個々のユーザーにマッチしたテキストが効果的だということを活かし、会社や業種ごとに必要な英会話を提供していきたいとのこと。

まだ日本のオンライン教育サービス(EdTech)はアメリカに比べると数が圧倒的に少なく、成功事例もあまり無いが、ここ数年で徐々に増えてきた。国内インキュベーションも教育サービスに力を入れてきており、KDDI∞Laboがmana.bo、MOVIDAがShareWisなどを採択している。