大日本印刷は2月19日、シンガポールを拠点とするスタートアップ「BlockPunk」(ブロックパンク)と戦略パートナーとしての提携を発表した。シンガポール拠点のシードステージベンチャーである「SeedPlus」(シードプラス)が主体となり、BlockPunkに130万シンガポールドル(約1億円)を投資。大日本印刷は、SGInnovate, Hustle Fund、Entrepreneur Firstともに、このラウンドに加わる。
BlockPunkは、デジタル作品をオンラインで売買できるプラットフォームを開発。改ざんが事実上不可能なブロックチェーンを使用することで、作品の希少性、真贋性を保証し、二次販売を可能にするという。同社は、Netflixでアニメ部門を統括していたJulian Lai-Hung(ジュリアン・ライハン)氏と、イエール大学でコンピューターサイエンスの博士号を取得後、Linkedinでプロダクトマネージャーを勤めていたJatin Shah(ジャティン・シャー)氏の2人が創業した。
大日本印刷はプレスリリースで「日本政府はブロックチェーンをクリエイターの権利を保護するための重要な技術だと認識しており、日本のアニメやアート、エンターテイメント業界に適用するために、BlockPunkと協力していくことを楽しみにしています」とコメントしている。
容易にコピーできてしまうため、写真はもちろん、アニメやイラストなどデジタル作品の著作権保護は非常に難しい。自分が撮影した写真や描いたイラストが無断コピーされ、いつのまにか第三者が販売している、フリー素材として拡散しているという問題は後を絶たない。日本の最大手印刷会社である大日本印刷がBlockPunkの戦略パートナーとなることによって、電子書籍を含むデジタル作品の強固な著作権保護の仕組みが早急に構築されることを期待したい。