Microsoftが今日(米国時間6/10)、アプリケーション管理サービスのBlueStripeを買収したと発表した。同サービスは、さまざまなオペレーティングシステムやデータセンターやクラウド環境にまたがってデプロイされている企業のアプリケーションの、モニタリングやトラブルシューティングを助ける。Microsoftは今後、同社のSystem CenterツールやOperations Management Suite(OMS)などにこのサービスを統合していく。
Microsoftによると、すでにBlueStripeの顧客の多くが、OMSとの統合を行って、彼らのインフラストラクチャのパフォーマンスに関するより詳細なインサイトを得ている。
Microsoftは自社プロダクトへの統合の開始と並行して、BlueStripe単独の販売を停止する。ただしそれまでは、BlueStripeの既存の顧客のサポートを続ける。
買収の価額等は公表されていない。CrunchBaseのデータによると、BlueStripeは2007年の創業以来1350万ドルを調達しており、最近では2014年7月に52万5000ドルを起債している。同社のシリーズAの500万ドルとシリーズBの800万ドルは、Trinity VenturesやValhalla Partnersらが投資している。
Microsoftによると、BlueStripeは企業によるITインフラの監視を助け、とくに、彼らのネットワーク上で今どんなアプリケーションが動いていて、それらがどんな依存関係にあるかを自動的に発見して視覚化する。それによってIT部門はシステムのメンテナンスを 各サービスの目的に即して行えるようになり、アドミンは問題の所在と原因を素早く見つけられる。
BlueStripeのホームページには、こう書かれている: “Microsoftとは長年協働しており、同社は弊社の重要な顧客でもあり、技術的な支援者でもあり、そしてIT管理のパートナーでもある。新しいデータセンターやクラウドソリューションが今後続々と市場に登場してくるので、BlueStripeの技術はより重要な役割を発揮するようになる。ITイノベーションの次の大波の一部になれることに、大きな期待を抱いている”。
このところMicrosoftは、企業によるハイブリッドクラウドの運用を助けるための、さまざまな手をうってきている。今日の買収も、そういう動きの一環だ。Microsoftのエンタプライズクラウド担当ゼネラルマネージャMike Neilが書いた声明文によると、“最近弊社が、Microsoft Azure StackやOMS、Windows Server 2016、そしてSystem Center 2016などを相次いで発表してきたことでもお分かりのように、Microsoftはハイブリッドクラウドソリューションの提供でトップに立つことと、弊社の顧客にサポートを提供して行くことにコミットしている”、という。ただし、Azureのサービスの一部をデータセンターに持ち込むAzure Stackは、現時点では約束であり、まだ実現していない。
しかしNeilは、“本日の買収はその約束をまた一歩実現に近づけるものであり、さらに柔軟性に富むハイブリッドクラウドをITに提供し、顧客のみなさまが日々、もっとも重要なことにより集中できるようにする。それにより、企業の価値を急速に高めて、イノベーションを加速する”、と書き加えている。これはMicrosoftにとっても、未来への壮大な約束だ。