ITを活用し運送業界における新たな価値の創出を目指すCBcloudは12月17日、第三者割当増資(シリーズCラウンド)および大手金融機関からの追加融資枠設定により、総額約60億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、国内・海外の機関投資家や事業会社。2016年9月からの融資を含む累計調達額は約80億円となった。
CBcloudは、2013年の設立以来「『届けてくれる』にもっと価値を。」のビジョンの下、荷主と配送パートナーを直接つなぐマッチングプラットフォーム「PickGo」、運送会社向け業務支援システム「SmaRyuトラック」、宅配事業者向け業務支援システム「SmaRyuポスト」を提供。配送パートナーの価値が正当に評価される仕組み作りと配送現場の生産性改善に取り組んできた。PickGoの二輪車・軽貨物の個人パートナーは合わせて4万人、一般貨物の協力運行会社は1000社を超えているという。SmaRyuトラックの導入社数は880社以上、SmaRyuポストは2021年度末までに全国750局の郵便局への導入を予定している。
調達した資金は、これらプロダクト強化やマーケティングをはじめ、事業を成長させるための人材採用にあてる予定。また、多様な業界の企業とのアライアンスを通じて、ポストコロナ時代に適したモノの流れを実現することで、顧客企業のビジネス拡大を支援する。
具体的にはまず、CBcloudのプラットフォームの特徴を活かした緊急・即日配送サービスを「PickGoエクスプレス」(Android版・iOS版)と再定義し、従来の法人・ウェブ経由に加えて、個人がアプリ経由でも依頼できるようにした。これにより、発注時の利便性がさらに高まることに加え、従来未対応だった買い物代行以外での個人の配送ニーズの取り込みも図る。
また、「PickGoエンタープライズ」を新たに定義。PickGoの配送パートナー、飛行機、鉄道などのアライアンスを含む配送インフラネットワークやテクノロジーをフル活用することで、顧客企業の個別ニーズに応じた物流を構築・提供する。ネットコンビニやネットスーパーなど、従来は難しかった短いリードタイムでの配車や、予測しにくい需要変動への対応が可能となるという。PickGoエンタープライズを通じ、顧客企業の物流費用削減、売上成長や新たな事業の創出なども支援する。
さらに、今後は軽貨物領域に留まらず、ラストワンマイルを含めた物流全般に関して、CBcloudのプラットフォームをインフラとして利用できるよう、これまで以上に多様な業種の企業とのアライアンスを加速させるという。