チャットボットによるマーケティングオートメーションサービス「chatbook」を提供するチャットブックは2月19日、Salesforce Ventures、イーストベンチャーズ、YJキャピタルを引受先とする第三者割当増資を実施した。調達金額は非公開だが、数千万円規模と見られる。
chatbookは、マーケティング用のチャットボットをプログラミングの知識なしでも簡単に作成できるサービスだ。必要なのは2ステップだけ。あらかじめ用意されたテンプレートを選べばボットが完成する。Facebookと連携したデータによってマーケティングに活用でき、その後のフォローアップにも対応。ユーザーへの情報提供やアンケート機能も備える。
今回の調達ラウンドで米Salesforce.com(以下、Salesforce)との資本的な関係を築いたことは、チャットブックにとって大きな意味をもつ。同社はこの資本業務提携により、2018年上旬頃からSalesforceのSFAサービスである「Salesforce Sales Cloud」とchatbookの連携を始めるとしている。すでに幅広い顧客基盤をもつSalesforceと手を組むことにより、chatbookの普及促進を目指す。
chatbookは本日より正式にサービスを開始。個人利用は無料だ。法人利用では10日間のトライアル期間を設け、その後は月額6万円〜の料金で利用できる。これまでは招待制で提供されてきたchatbookだが、現在のユーザー企業数は数十社だという。バイトルを運営するディップや、石川県加賀市の観光事業などの自治体などにも利用されている。
同社は今回調達した資金を利用して営業体制を強化するほか、今後は「一つのチャットボットでFacebookメッセンジャーボットとウェブボットを作れるサービスを展開する予定で、そのための人材採用やデータ解析を手がける開発人員も強化する」(チャットブック代表取締役の小島舞子氏)としている。
チャットブックは2016年9月の創業で、TechCrunch Tokyo 2016のスタートアップバトルにも出場している(創業当時の社名はヘクトだった)。また、同社は既存投資家のYJキャピタルとEast Venturesが運営するアクセラレータプログラム「コードリパブリック」の卒業生でもある。今回のラウンドは、同プログラムへの参加時に調達した約700万円に続く、2度目の外部調達となる。