「キャッシュバック賃貸」運営の賃貸情報が電通グループなどから1億円調達

賃貸住宅情報サイト「キャッシュバック賃貸」を運営する賃貸情報は2月4日、電通デジタル・ホールディングス(DDH)、SMBC ベンチャーキャピタルを引受先とする総額約1 億円の第三者割当増資を実施したことをあきらかにした。

キャッシュバック賃貸は、賃貸借契約が成立した際に、入居者にあらかじめ指定された金額のキャッシュバックが受けられる賃貸情報サイト。一般的な賃貸住宅情報サイトでは、掲載課金が一般的だったが、キャッシュバック賃貸では成約課金のモデルを採用している。現在物件数は180万件を超えるという。賃貸情報取締役副社長の遠藤彰二氏はリブセンスの出身。リブセンスの手がけるアルバイト情報サイト「ジョブセンス」でも採用者にお祝い金としてキャッシュバックを実施しているが、これを賃貸住宅情報サイトに当てはめたかたちだ。

遠藤氏に今回の調達の目的を聞いたところ「資金ニーズより戦略を重視している」とのこと。先日開催されたカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)グループのインキュベーションプログラムである「T-Venture Program」にも採択されている同社だが、電通グループや事業会社との接点の多い銀行系VCの資本を入れることで、広く事業会社との連携を狙っていくのだという。「キャッシュバック賃貸の強みは(キャッシュバックの手続きを行うために)『引っ越しが決定したユーザー』が分かるということ。他のサイトはで『引っ越しを予定するユーザー』しか分からない。引っ越しの際は利用する美容室もスーパーも変わるし、家電も買い換える。さらには就職や進学、出産というイベントに関わることも多い。さまざまな業態と連携ができる」(遠藤氏)。また同社では、今回の調達を機にマーケティングにも注力していく。