製造業向けに特化したインターネットサービスを提供するアペルザは11月28日、GMO
VenturePartners(GMO-VP)を引受先とした1億5000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。
アペルザは2016年7月の設立。代表取締役社長の石原誠氏は、新卒でキーエンスに入社。同社初となるネット事業「iPROS(イプロス)」の立ち上げに参画した。2014年に同社を退職し、英語学習者向けアプリを手がけるポリグロッツを創業。さらに2014年9月にも新会社エデュートを立ち上げ、教育向けのアプリ構築プラットフォームを開発した。
石原氏はここからまた本業である製造業領域に戻って事業を始める。2014年年12月には新会社クルーズを創業。同社は製造業コンサルのFAナビ、製造業向けメディアのオートメ新聞と経営統合を経てアペルザを新設。その代表となった。
アペルザが現在手がけているのは製造業向けのニュースサイト「ものづくりニュース」や業界紙の「オートメーション新聞」、製造業向けのカタログポータルサイト「Cluez(クルーズ)」、工業用資材の価格検索サイト「Aperza(アペルザ)」など。アペルザでは、今回調達した資金をもとにCluezおよびAperzaを中心にしたサービス体制強化に充てるとしている。また、今回の調達にあわせて、GMO-VPの宮坂友大氏が社外取締役に就任する。
アペルザが情報を扱うのは、製造業で用いられる間接資材(製造業向けの組み立て装置など)。間接資材の設備部品は文字通り星の数ほどあるそうで、大手資材商社であるミスミが扱う間接資材の部品点数はなんと800垓(はっぴゃくがい。1垓は10の20乗。億、兆、京、垓となる)にも上るそうだ(ただし製造用途にあわせてある程度の組み合わせは決まっているそう)。Cluezではそんな間接資材メーカー1500社のカタログを掲載。Aperzaでは260万点の価格情報を保持。製造業の調達部門や製造業向けの購買代行商社などに向けてサービスを提供している。
「(間接資材の)市場規模は20兆円。その市場のオンラインシフトが進んでいる。ミスミもMonotaROもAmazon、アスクルも狙っていると言われている。だが現状、買い手向けの『価格.com』的なサービスがない。そこを狙う」(石原氏)
同社は今回調達した資金をもとにCluezの営業強化、Aperzaの開発強化を進めていく。
またアペルザでは現在国内メーカーに加えて台湾、中国での営業も開始。さらに9月には米国シアトルにもラボを立ち上げ、サービスの準備を開始したという。「我々が手がけるサービスは欧米でもまだ存在しない。先行者利益は大きい」(石原氏)