Swarmが米国での衛星インターネットサービスに関する承認をすべて取得

2018年に衛星スタートアップのSwarm(スワーム)がFCC(米国連邦通信委員会)の規則に違反して複数の衛星を打ち上げていたことが判明したが、異例の形でステルスモードから抜け出した。規制当局は当時、同社の衛星はほとんどのCubeSat(超小型衛星)よりも小さく、また既存の技術では確実に追跡できないサイズだと主張していた。2年後となる2020年、Swarmは米国で商業サービスを開始するために必要な規制のハードルを、すべてクリアしたと発表している。

2019年にSwarmは、当初のコンステレーションで計画していた150機の衛星と最大600機の衛星を打ち上げる許可をFCCから認証され、衛星から地球へのデータ送信に必要な無線周波数帯を使用する許可を得ていた。さらに同社は英国やニュージーランド、ドイツ、スウェーデン、南極大陸、国際水域での事業を行うための規制当局の承認を追加して得ている。また米国や英国、南極大陸、ニュージーランド、およびアゾレス諸島では地上局の設置許可を得ており、2020年中にはさらに多くの設置許可を得る予定で、すべてが計画どおりに進んだ場合、夏の終わりまでに地上局のネットワーク全体が30拠点に到達する予定だ。

Swarmの最終的な目標は、海上や地上の物流の追跡、農業などのIoTアプリケーションや、地上のインフラが不十分な地域での基本的な通信サービスに適した手頃な価格の衛星インターネットネットワークを世界的で提供することだ。現在、すでに軌道上にある9基の衛星を使ってサービスが開始できる段階にあり、さらに多くの国での運用をカバーするために、規制当局の認可を拡大している。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

三菱重工業のH-IIBロケット再打ち上げは9月24日を予定

先週、打ち上げ台上の火災でつまずいた三菱重工業(MHI)が再び、国際宇宙ステーションに備品などを運ぶ補給機HTV-8のミッションに挑戦する。打ち上げは当初9月11日を予定していたが、火災の後始末や原因調査などもあり、新たな打ち上げ日は日本時間の9月24日午前1時30分に決まった(米国東部時間9月23日午後12時半、太平洋時間午後9時半)。

火災は消火されロケットにも積荷にもダメージを残さなかったが、調査によると原因は静電気の蓄積による可能性が極めて高い。静電気の発生は、ロケットエンジンへの推薬補給時に排気口から滴下する酸素によるものと思われる。MHIはすでに対策に着手しており、ロケットと打ち上げ用施設設備は今や完全な機能性があって、二度目の打ち上げへの準備が完了している。

打ち上げに使われるH-IIBロケットはMHIのM-IIシリーズロケットの推力が最も大きい構成で、ISSの備品のほかに、さまざまな学術および商用の顧客のための複数の小型衛星とそのCubeSatランチャーも運ぶ。H-IIBは中心に1基のブースターがあり、エンジンは液体酸素を推薬(推進剤)として使用、そしてロケットの底部にある4基の固体燃料ブースターがさらなる推力を与える。静止遷移軌道への最大積載量は、8200キログラムである。

H-IIBのミッションは、来年あともう一度ある。その後、MHIは完全に使い捨ての打ち上げ機H3に注力する。これは主に商用の顧客の利用を目指していて、中程度のペイロードではコスト的にSpaceXなどの競合相手と互角に勝負できることを目指している。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa