Amazonは赤ちゃん用品のDiapers.comを始めとするQuidsi事業部の通販サイトを閉鎖することを決めた。Amazonはこのことを昨日(米国時間3/29)のBloombergの記事で確認した。閉鎖の理由は黒字化の失敗だという。Amazonは2010年11月に5億4500万ドルでQuidsiを買収したことを発表している。QuidsiはフラグシップのDiapers.comを始め、Soap.com、BeautyBar.comなど1語ないし2語からなる覚えやすいドメインをサイト名として所有していた。
Bloombergの記事によれば、ジャージーシティに本拠を置くQuidsi事業部の260人の従業員は職を失うことになる。ただしニュージャージー州労働局によれば、これらの職員の一部はAmazon内で別の職に応募できるという。
Quidsiの閉鎖を公式に認める声明でAmazonの広報担当者は次のように述べた。
「われわれはここ7年間、Quidsiの黒字化に全力を挙げてきたが、残念ながら成功に至らなかった。Quidsiは強力なブランドを持ち、そうした製品はAmazon.comから引き続き提供される。同社のソフトウェア・チームは今後はAmazonFreshの開発に当たる」ということだ。
Amazonは買収以後 Quidsiの事業に多額の投資をしてきた。たとえば生鮮食品の VineMarket.comをスタートさせたり、モバイル化に対応してiPadなどのタブレットのサポートを進めていた。
QuidsiはDiaper.comなどに加えて、ペット用品のWag.com、男子向けおもちゃのYoYo.comなど専門分野に特化したサイトをいくつも運営してきた。
QuidsiのファウンダーはMarc Loreで、Amazonへの売却後、新しい通販ビジネスのJet.comを立ち上げてでWalmartに30億ドルのキャッシュで売却している。Loreは現在Walmartのeコマース事業部の責任者を務めている。同事業部はここ数ヶ月企業買収に力を入れ始めており、ModCloth、Moosejaw、Hayneedle、ShoeBuyなどのオンライン通販サイトを傘下に収めている。
Amazonは当初潜在的ライバルとみてQuidsiの買収に動いたが、その後Quidsiの事業は本体のコア事業とのバッティングが目立つようになっていた。たとえばAmazon本体には紙おむつを始めとする赤ちゃん用品の通販を行うAmazon Family(以前のAmazon Mom)がある。このターゲットはあきらかにDiapers.comと重複していた。
AmazonではQuidsi傘下のサイトの閉鎖スケジュールを明らかにしていない。サイトにはまだ閉鎖は掲示されていないようだ。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)