1本当たり3分と短い動画でプログラミングを学べる初心者向けプログラミング学習サイトの「ドットインストール」がネイティブアドとも言える新サービスを開始した。これまでの学習コンテンツに加えて、企業か提供する開発者向け製品やサービスを紹介するレッスン動画を掲載する「スポンサードレッスン」で、第1弾はニフティによる「超速アプリ開発!ニフティクラウド mobile backend 入門」で、ニフティが提供するモバイル向けのBaaSサービスを紹介する動画となる。
ドットインストールは現在、約15万人を超えるプログラミング学習者を抱えていて、企業が提供する商品やサービスの内容を3分動画で分かりやすく訴求できるという。ドットインストールではこれまで、スクリーンキャストと呼ばれる画面で実際にコーディングの様子を見せながらテンポ良く解説する動画コンテンツを提供してきた。2011年11月の創業以来提供してきたレッスン動画は3200本、動画再生総数は約2250万回となっている。上位人気コンテンツとしては、HTML入門(全24回)、CSS入門(全22回)、JavaScript入門(全24回)、PHP入門(基本編)(全32回)、Ruby入門(全23回)、CSS3入門(全18回)、jQuery入門(全20回)などがあるが、最近はモバイル開発のコンテンツにも人気があるという。
2013年からはプレミアムレッスンや文字起こしテキストなどが利用できる月額880円のプレミアム会員サービスを開始(有料会員数は非公開)。また2014年4月からは1ユーザー当たり月額1880円の法人向けライセンスの販売も開始している。法人ライセンスはヤフーやドワンゴで導入例がある。
新しく提供する動画サービスは、このドットインストールで提供されている3分動画のフォーマットを踏襲する。ドットインストールは創業者で代表取締役社長の田口元氏による解説で知られているが、スポンサードレッスンを制作は、オープンソース紹介ブログ「MOONGIFT」の執筆、運営で知られるエンジニアの中津川篤司氏が担当する。
スポンサードレッスンの価格は、動画制作とコンサルティング、3カ月からの掲載、運用費用を入れて税別280万円から。依頼企業はドットインストール上での露出するだけでなく、レッスン動画を自社サイトやセミナー、営業資料などで利用することもできる。
ところでドットインストールといえば、人気ブログ「百式」のブロガーとしても知られる代表の田口元氏が、ドットインストールのシステム開発もこなす福永康司氏と2人体制でコンテンツを作ってきたが、自己資金だけでなく、外部資金を調達してスケールさせる道を選ぶことはないのだろうか? 市場規模が違うので英語圏との直接比較は意味がないが、例えば海外では1995年創業のオンライン学習サイトであるLynda.comが合計350億円ほどを資金調達して、2015年4月にLinkedInに1840億円(15億ドル)で買収されるというダイナミックなことが起こっていたりする。
田口氏はTechCrunch Japanの取材に対して「(外部からの資金調達は)どこかのタイミングではするかも」としながら、今のところはノウハウの蓄積に注力したいと話す。物量でコンテンツを増やすことによるクオリティ低下を懸念していて、むしろ進化の激しい技術にキャッチアップしてコンテンツを更新することの重要性などを過去3年ほどの運用で感じているそうだ。