コンピューター制御の自動運転(運転手なし)カーに対する消費者意識調査は既にご覧になっただろうか。Ciscoがとりまとめたものだ。調査のほとんどはネットワーク経由での購入についてのものだが(やはりカーディーラーが嫌いだという人は多い様子だ)、自動運転カー(driverless car)についての意識調査も掲載している。回答者のうち57%が、無人運転カーが辺りを走っていても平気であるとしている。ただし、それぞれのマーケットによっても受け取り具合は異なるようだ。
どうやら、新興国の方が自動運転カーを許容する意識が高い様子。たとえばブラジルでは回答者の95%が自動運転カーを許容すると述べている。また、インドでも86%、そして中国でも70%という数値が出ている。
しかしアメリカではその割合が60%に下がり、ロシアでは57%となる(ロシアでは、ともかくまずはきちんと制御できるようにするのが先決だ)。未だにマニュアル車が人気を集めるドイツでは自動運転カーなど認めないという人も多い(許容すると回答したのは37%に過ぎない)。ロボット慣れしているだろうと思われる日本では、許容する人が28%しかいないという結果も出ている。
ちなみに、自分の子どもを自動運転カーに乗せるかと問えば、上の数値はいずれも低くなる。しかしそうは言っても、自動運転カーが市場に投入されれば、それなりの普及は期待できそうだと言って良いのではないかと思われる。
技術に対する信頼性という点で見ると、保険やメンテナンスコストの低減に繋がる可能性があるのなら、運転習慣を車によって記録されてもかまわないと考える人が74%にのぼっている。また65%の人が、自分に適した車を提案してくれるのなら、身長や体重、および運転習慣を自動車メーカーとシェアしても良いと考えているそうだ。
テクノロジーを使ってセールスマンを排除すること
車の購入行動について問うと、ほとんどの人が営業マンと直接に話をせずにすませたいと考えているという結果が出た。回答者の半数は、直接的に営業マンと話をする必要がある場合でも、販売機のような機械を経由して話したがっているそうだ。半数以上(55%)はビデオチャットなどの仕組みによって購入が完了出来れば良いと考えているのだそうだ。こちらでも、新興市場における方がアメリカやドイツにおけるよりも比率が高くなっている様子だ。
ブラジル、インド、ロシア、そして中国などの新興マーケットにおいて、購入時にも機械経由でという希望が大きくなっているようだ。ドイツや日本では、機械を通すのみで購入を完了したいと考える人は少なくなる。アメリカは新興マーケットと、日本やドイツにおける数値の間くらいになるのだろう。
尚Ciscoは、自動運転カーが単純に道を辿る機能を持つだけではいけないとも言っている。車は今ではほとんど日用品化している。そこに着目してメーカー(およびスタートアップ)は、「サービス」の拡充に注力すべきだと、レポートを結んでいる。駐車場を効率よく発見したり、より快適で自動化したネットワーク機能を提供すべきだと言っているわけだ。
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(翻訳:Maeda, H)