6月にDropboxは「新しいDropbox」のプレビュー版を公開した。スタンドアロンのアプリのインターフェイスを中心にして、Slack、G Suite、Zoomのコールなどの仕事のツールをすべて1カ所に統合することに取り組んだものだ。これまでよく知られてきたシンプルにフォルダを共有するDropboxからすると、かなり劇的な刷新だ。
誰もがこの変化に賛同したわけではない。例えば有名ブログ「Daring Fireball」のJohn Gruber(ジョン・グルーバー)氏は、自分がDropboxに望むのは、もともとそうだったようにシンプルなフォルダが本当に間違いなく同期することだと指摘した。
あなたもそう思っているかもしれないが、新しいDropboxはすでにすべてのユーザー向けに公開が始まっている。共有フォルダは、共有ファイルを中心とした「Dropbox Spaces」と呼ばれるハブとなる。
主な新機能は以下のとおり。
- Dropbox Spacesには、テキストによる説明を追加して目的を伝えたり、今後のタスクを管理するためのTo-doリストを作成したりすることができる。
- Windowsではシステムトレイから、macOSではメニューバーから「For you」タブを表示すると、カレンダーの情報とミーティング中に必要になりそうなファイルや、チームの最近のアクティビティ(編集やコメント)に関するタイムラインを見ることができる。
- 「Peopleページ」には、チーム内の特定のメンバーと共有や共同作業をしているものがすべて表示される。
- Slack、Zoom、Trello などのツールをDropbox Spacesに統合すると、Dropbox SpacesからZoomミーティングに参加したりTrelloのカードに項目を追加したりすることができる。
- Google DocsやOffice 365アカウントなどにあるクラウドのファイルをDropbox Spacesに読み込める。
- DropboxがコンピュータビジョンでJPG、PNG、GIF画像内のコンテンツを認識するため、画像内の検索ができる。Dropboxによれば、この機能は米国時間9月25日からDropbox Proで公開されており、Dropbox Businessプランでは「間もなく」利用できるようになる。
- Dropbox Transferで、大容量のファイル(Basicユーザーでは最大100MB、ProとBusinessのユーザーでは最大100GB)を、相手がDropboxアカウントを持っていなくても共有できる。ファイルをアップロードして、共有リンクを作成する。ファイルがダウンロードされたときに通知を受ける設定、パスワードの追加、一定期間後にリンクを無効にする設定が可能。
Dropboxはストレージ「だけの」企業とは見られたくない。DropboxのCEOであるDrew Houston(ドリュー・ヒューストン)氏は6月の発表の場ではっきりとそう語り、これからはストレージ企業とは考えないでほしいと述べた。「私たちのやり方では不十分だ」と書かれたスライドの前に立った同氏は、すべての仕事のハブになろうとしている同社の新しい取り組みを説明した。
これまでのDropboxのとおり、OSの中にDropboxフォルダがあるほうが好きという人もいるだろう。これはなくならないようだ。前述の新しい機能を使うには新しいアプリが必要だが、DropboxフォルダとファイルはこれまでどおりFinderウインドウから利用できる。Dropboxの担当者は筆者に対し、これを変更する予定は今のところないと語った。
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(翻訳:Kaori Koyama)