クラウド録画のセーフィーと秘密計算・AI開発のEAGLYSが製造現場の生産ライン不具合検知に向けAI画像解析サービス開発

クラウド録画のセーフィーと秘密計算・AI開発のEAGLYSが製造現場の生産ライン不具合検知に向けAI画像解析サービスを共同開発

クラウド録画サービス「safie」を展開するセーフィーと秘密計算とAI開発でデータ利活用を推進するEAGLYS(イーグリス)は1月25日、製造現場の生産ラインの不具合検知のためのAI画像解析サービスの共同開発に着手したことを発表した。実証実験では24m先の異物を91%の精度で検知できた。

人材不足が深刻化する製造現場では、産業用ロボットやFA(ファクトリーオートメーション)の導入が叫ばれているが、工場設備のレイアウトなど空間的な事情からロボットの設置が難しい工場では、製造工程の異物や残留物の確認・判断は人手に頼らざるをえない状況が続いている。

そこで、セーフィーとEAGLYSは、撮影した映像データにAI解析を組み合わせることで、生産ラインの不具合や異物検知が行えるAI画像解析サービスの開発に着手した。このサービスを利用すれば、AI画像解析カメラで不具合や異物を容易に検知できるだけでなく、映像を通じた確認作業の記録や、遠隔からの管理・実行、振り返りにも活用できるという。

両社は、実際の製造工場で同サービスの実証実験を行ったところ、現状の生産設備や従業員の作業導線を変えることなく、目視では検知が困難な24m先のライン上の異物を91%の確率で検知できた。

本格実装に向けて、工程や製品に合わせた画角やAIアルゴリズムをチューニングすることで、さらに高い精度での検知が期待できるとのことだ。

秘密計算・AI解析技術の研究開発を手がけるEAGLYSが約8億円調達、秘匿データ連携・解析強化

秘密計算・AI解析技術の研究開発を手がけるEAGLYSが約8億円調達、秘匿データ連携・解析強化

秘密計算およびAI解析技術に関する研究開発を手がけるEAGLYS(イーグリス)は2月15日、第三者割当増資による総額約8億円の資金調達を発表した。引受先は、Emellience Partners、椿本チエイン、テックアクセル1号投資事業有限責任組合(テックアクセルベンチャーズ)、セグエグループ。

EAGLYSは、あらゆるデータを安全に活用できる社会の実現に向け、「AIアルゴリズム設計・解析技術」と「秘密計算を中心としたセキュアコンピューティング技術」をコアの強みとして事業を推進。今回調達した資金により、「サービスの社会実装の加速に向けた株主体制構築による販売促進・事業成長」「DataArmor(データアーマー)シリーズの追加機能開発、データ利活用領域での販売力強化」「クラウド上でのデータ連携・分析サービス、リモートAI解析サービスの垂直立上げ」を中心に強化する。

「DataArmor」シリーズ

EAGLYSは、企業のデータ利活用におけるセキュリティ・プライバシーを強化するソリューションとして、秘密計算を中心としたセキュアコンピューティング技術によりデータを秘匿化したまま共有・検索・分析やAI解析が可能なDataArmorシリーズを展開。

2020年1月にデータを秘密計算技術により常時秘匿化したまま共有・検索・分析が行えるプロキシー型ソフトウェア「DataArmor Gate DB」をローンチ。データベースのセキュリティ高度化や企業間のセキュアなデータ利活用・分析環境の構築を推進してきた。

またAIアルゴリズムを秘匿化できる「DataArmor Gate AI」、クラウド上のバーチャルセキュアルーム「DataArmor Room」の開発・提供に取り組み、グループ企業内や企業間におけるセキュアなデータ利活用環境の構築や協業検討を積極的に進めている。

秘密計算・AI解析技術の研究開発を手がけるEAGLYSが約8億円調達、秘匿データ連携・解析強化

AI解析サービス

AI解析サービスでは、精度・頑丈性が高い独自のAIアルゴリズム設計・解析技術やデータ生成技術を強みに、企業のDX構想策定からAI設計・開発までを支援。今後も強みである画像解析、異常検知・故障予測、品質管理などのAI解析技術を中心にDX実現に取り組んでいく。

リモートAI解析ソリューション

リモートAI解析ソリューションは、クラウド上での機密データ・パーソナルデータの保護、リモート環境でのAI解析・データ分析に向けた環境構築サービス。

コロナ禍を受け、高いセキュリティレベルを維持しつつ、リモートおよびオンラインで生産性の高いデータ分析を実施したいというニーズは高まっているという。

EAGLYSが強みを持つ解析環境の仮想化技術と秘密計算技術を組み合わせ、クラウド上にセキュアなバーチャル空間を構築することでリモート環境下でのセキュアなAI解析・データ分析の実現に取り組んでいる。

2016年12月設立のEAGLYSは、統計学や機械学習、計算機科学、応用数学や高機能暗号・秘密計算など、各専門領域や複合領域に専門を持つ多国籍の博士メンバーからなる研究開発スタートアップ。

「あらゆるデータを安全に利活用し、価値に変える」という事業コンセプトで、DXに重要なAIとデータセキュリティの2軸を柱としており、AIアルゴリズム設計・解析技術と秘密計算を中心としたセキュアコンピューティング技術の両軸で企業のDX・データ利活用・事業創出を支援できることを強みとしている。

事業として、AI構築・研究支援をはじめ、セキュアなリモート分析・AI解析環境や企業間データ連携・外販基盤の設計・構築を支援。セキュアコンピューティング技術を活用した自社製品DataArmorシリーズもソフトウェア提供を開始し、日本を代表する大手企業各社と協業を進めているそうだ。

EAGLYSは今回資金調達を通じ、安全にデータを利活用できる社会の実現に向けたサービス機能の強化、セキュアなデータ利活用環境の構築を推進していく。

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カテゴリー:セキュリティ
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