動くインタラクティブな電子書籍は、子どもの学習に役立つかもしれない

最近の研究によると、子どもが本の内容を覚えやすいという観点から、電子書籍は通常の書籍に比べていくつか利点があるという。特に言葉のやり取りに重点を置いたアニメーションは、ストーリーの理解、記憶を助けるが、それは正しく行わなければならないものでもある。

カーネギーメロン大学の心理学者、Erik Thiessen(エリック・ティーセン)氏は普通の本、もしくは各ページにアニメーションを盛り込んだ本を読んだ、3歳から5歳の子ども30人の記憶力について研究した。

実験後、それぞれに内容を覚えているかという質問したところ、アニメーションがある本を読んだ子どもたちは、15〜20%も多く内容を覚えていた。最も効果的だったのは、子供がそれについて何かを言ったり尋ねると、反応があったケースだった(ただし自動的にではなく、大人が読みきさせる必要があった)。

「学習過程により深く関わることで、子どもは最もよく学ぶ」と、ティーセン氏はCMUのニュース記事で説明している。「多くのデジタル・インターフェースは、子どもたちの学習にはあまり適していないが、それが改善されれば、子どもたちはよりよく学ぶことができる」

これは、子ども向けの本はすべてアニメーション化されるべきだ、という意味ではない。伝統的な本にはそれぞれ独自の利点があり、絵本を読む時期を卒業すると、これらのデジタル革新はあまり役に立たない。

むしろ重要なのは、電子書籍は有用なものであり、子供向けの図書館に並べられることは、無意味ではないと示すことだ。しかし同時に、学習効果の向上を目標にしてデジタル機能を導入、調整することが重要であり、どのようにして行うのが最適かを、正確に判断するために調査を行う必要がある。

なお、ティーセン氏の研究は、Developmental Psychology誌に掲載された。

 

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

英語学習者の読解レベルに応じたニュース文書を提供するNewsela、対象をニュース以外にも拡大

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Newselaは2012年にサービスを開始し、英語学習者に広く活用されているサービスだ。英語の読解力を、個々人のレベルおよびペースで高めることを目的としている。

NewselaのCEO兼共同ファウンダーであるMatthew Grossによれば、80万の先生および770万の生徒が利用しているのだとのこと。

読解の教材にはもっぱらニュースを使っていたのだが、英語学習の観点からみると、これだけでは不十分だという話になったようだ。英語をただ読むだけでなく、内容を把握して自分自身で考える能力も身につけさせたいと考えるうち、教材の幅を広げることになったそうだ。

新学年を迎えようとする今、Newselaが新たに追加したのはLibraryだ。このLibraryでは歴史や有名な人物に関する一時的情報を、さまざまな読解レベルに応じた形で提供する。用意している言語は英語およびスペイン語だ。

扱うものを具体的にみれば、歴史ないし人物関連の情報の中でもとくに、メディアやポップカルチャーにも頻繁に登場するものを集めている。たとえばリンカーン大統領のゲティスバーグ演説やブラウン対教育委員会裁判に関するものなのだ。

こうした資料は非常に価値あるものではあるが、読解を難しく感じる人もいる。オリジナルをみてみようとウェブや印刷物を探しても、読めなくてがっかりする人も多い。

そこで、こうした資料を読解レベルに応じた形で提供しようとしているわけだ。合衆国憲法を8歳程度の子供の読解力にあわせて書き換えている例を下に掲載しておこう。

オリジナル
We the People of the United States, in Order to form a more perfect Union, establish Justice, insure domestic Tranquility, provide for the common defence, promote the general Welfare, and secure the Blessings of Liberty to ourselves and our Posterity, do ordain and establish this Constitution for the United States of America.

変更後
We the People of the United States want to form a more perfect country. We will set up justice, promise peace, protect the people, keep them healthy, and have liberty for ourselves and our children. Now we create this Constitution for the United States of America in order to do those things.

なお、Libraryの追加とともに、Pro版および、教師用および学校単位でプレミアム版を利用している人に対するサービスを改良した。

追加機能により、教師は生徒たちがどのようなコンテンツを読んで、また読解力を伸ばしているのかを確認することができる。また、どのレベルで難しさを感じているのかなどを、クラス単位ないし個人毎にチェックすることもできる。

Gross曰く「生徒たちの読解力に応じて、読む力や知識、読書へのモチベーションを高めたいと考えているのです」とのこと。

本サービスは、外国語として英語を学んでいる人(ESL:English-as-a-second-language)や貧困層を主な対象としたものだ。

サービスの提供によりもちろん利益をあげることを目指しているが、まずミッションありきのサービスでもある。技術および教育の融合を考えるKPCBOwl Venturesなどからの出資を受けている。

Newselaはこれまでに2216万ドルのベンチャーファンド資金を集めている。

原文へ

(翻訳:Maeda, H