Epsonは今日(米国時間2/22)、バルセロナのMobile World Congress 2016で、新製品のMoverio BT-300を披露した。同社のスマートグラス製品ファミリーの最上位機種だ。同社ブースには試作品が展示され、以前のMoverio機にはなかった新機能が紹介されている。
おさらいしておくと、スマートグラスは ― プロジェクションやホログラフィー等の様々な技術を活用して ― 利用者の視界の中にデジタルコンテンツを投影することができる。
BT-300で最も目立った特徴は、Si-OLED(Silicon Organic LED) と呼ばれるマイクロディスプレイ投影システムだ。Epsonの北米製品マネージャー、Michael Leyvaによると、この新ディスプレイはこれまでより深い真のブラックトーンを生み出せる。
これはスマートグラスのレンズにとって重要であり、真のブラックトーンとは色がないことであり完全な透明を意味する。つまりBT-300の新しいSi-OLEDディスプレイは、メガネを通して見るデジタルコンテンツを、実際の世界とよりリアリスティックに融合させることができる。
重さは30%減って60グラム程度になった。
BT-300はIntel Atom 5の1.44GHzクアッドコアチップとAndroid 5.1を塔載し、同機のために複雑なアプリを書くことが可能になっている。
カメラは5メガピクセルになり、前機種BT-200のVGAカメラから改善された。
詳しいスペックが知りたい人には、Epsonが公開したばかりのビデオでいくつかの利用場面を見ることができる。BT-300を以前のモデルと比較した表もある。
このスマートグラスには様々な利用方法があるとLeyvaは言っている:
- リモートアシスタンス(他人の目を通して遠隔地を見る)
- データのビジュアル化
- 拡張現実による教育
- 一人称視点(FPV)によるドローン操縦
- 小売店買い物客アシスタンス(GoInStoreとの提携による)
- インラインビデオ・エンターテイメント
上には消費者の利用場面もいくつか挙げられているが、Epsonの戦略がBT-300を企業向けあるいは産業的製品として売ろうとしていることは指摘しておくべきだろう。だから、Epsonがこのスマートグラスを、ワイヤレスではなく処理ユニット経由で動かしていることも理にかなっている。(つまりこれはカクテルパーティーに着けていくものではない…特定の作業をこなすためのツールとして着用する)。
処理ユニットを分けることによって、過熱や遅延の問題も避けられるだろう。デベロッパーの要望に応じてプログラマブルボタンを3つ付けることもできる。
価格はまだ公表されていないが、従来機種の価格帯(おそらく700~800ドル)になるだろう。現時点では2016年Q4の出荷を目標にしているが、変わる可能性もある。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)