ゲーム企業Paradox Interactiveがクラウドから$11.8Mを調達…上場ご祝儀の意味も?

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Hearts of Iron, Stellaris, Europa Universalisなどの人気ゲームで有名なParadox Interactiveが、スウェーデンの投資型クラウドファンディングPepinsで1180万ドルあまりを調達した

キャンペーンは最初から強力で、最初の300万ドルをわずか8分で調達し、そのトータルで1億スウェーデン・クローナ(1180万ドル)のラウンドは、ゲーム分野におけるこれまでで最大の投資型クラウドファンディングキャンペーンとなった。

重要なのは、この投資型クラウドファンディングキャンペーンが、同社のNasdaq First North市場への上場の直前に行われたことだ。この市場は、ヨーロッパの比較的小さな急成長企業を対象にしている。金曜日の終値で同社はSEK 51.75で取引され、クラウドファンディングキャンペーンにご祝儀的に多くの人の買いが入る大きな理由となった…彼らはSEK 33で買った。

このキャンペーンは、わずか数か月前にローンチしたPepinsにとっても、大きな勝利となった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

SECの新ルールで、株式クラウドファンディングがさらに近づいた

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平均的消費者、即ち非「高純資算者」が小規模な調達ラウンドで投資できるようにするアイデアは、6月以来検討されてきたが、先週発表された新たなルールによって、米国はいよいよ真の株式クラウドファンディングに近づいた。リリース全文はここで読めるが、要するに、新たな形態の投資へのドアは開かれた。

会社は、12ヵ月の期間中に最大100万ドル ― 近代の投資標準から見て大きい額ではない ― を調達できるが、資金は純資産10万ドル以下の個人からもやってくる。その個人は「2000ドルまたは年収の5%」を12ヵ月の間に投資することができ、それ以上金を持っている人は年収の10%を投資できる。「クラウドファンディングを通じて10万ドル以上の証券」を買うことはできない。

新たなルールでは、いわゆる監査要求が削除された。これはスタートアップに支払い能力があることを確認するために設けられていたもので、要求によってさらに約4万ドルの費用が加わり、最も安定したスタートアップ以外に投資家が接触する機会を明らかに阻害していた。

株式クラウドファンディングは、端的に言って、世界で最も新しく最も興味深い資金調達システムだ。すでに海外ではかなりよく知られているが、これまでSECはその拡大に対して非常に用心深かったので、今回の改訂は米国における真の株式クラウドファンディングシステムへの最大の一歩だ。では平均的スタートアップにとって、それはどんな意味を持つのか?まず、多くのスタートアップが現金を得る際に直面する、ネットワーク作りの障壁を取り除くことによって、ベンチャーキャピタルの重要性を減少させられる。しかし、金額を100万ドルで頭打ちにすることによって、SECは実質的に一つの信号システムを作っている ― 最大の調達者は伝統的VCファンドの興味を多く引けるが、小さな調達者は選択肢不足に悩まされる。

新ルールはJOBS法(「スタートアップやスモールビジネスが広い範囲の潜在投資家から資金を調達し、投資家に新たな投資機会を与える」ために作られた法律だ)の一環であり、同法の最初の成果の一つだ。

最終的に株式クラウドファンディングは、おそらく早期段階スタートアップが資金調達する主要な方法になるだろう。ほぼあらゆる人々 ― 友達から、衆愚、家族、オンラインファンに致るまで ― を巻き込むことで、人気のスタートアップは堅実なシード資金の調達が可能になり、それを元手にさらなる成功を目指せる。この裁定は90日以内に発効する ― IndiegogoのCEO Slava Rubinのような人々が、「株式クラウドファンディングがわれわれのビジネスモデルでどんな役割を演じるかを探究する」には十分な期間だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アメリカのクラウドファンディングは”寄付”から本格的な”株式投資”へ; VCの淘汰も始まるか

【抄訳】

締切りを数百日も過ぎた今日(米国時間10/23)、SECの専門委員たちは全会一致で、スタートアップの株式クラウドファンディング(equity crowdfunding)の一般化/大衆化認めるにあたっての規則案を作成し公開諮問することになった*。これまでは株式クラウドファンディングは、SECから認可されている富裕な投資家にのみ許されていた。その規則案は長期の公開意見聴取を経てから、SECがあらためて正式に票決することになる。〔*: これまでのKickstarterなどで行われているクラウドファンディングは、法律的分類としては“寄付行為”。投資家がリターンを期待する株式投資ではない。〕

本格的なクラウドファンディングは、JOBS Actの三つのSEC対応項目の一つだ。それに関して今年の初めには、スタートアップに対し従来よりも簡便な報告義務を認めていたが、先月になってやっと、スタートアップや投資ファンドによる一般勧誘*(general solicitation)を禁じていた長年の禁令が撤去された。〔*: 非公開企業である小企業は、家族親戚友人など知人圏の25名に対してしか投資勧誘ができない。投資を広告などで一般的に募ること(一般勧誘)は不可だった。〕

SECの5名の委員が全員一致で採択した株式クラウドファンディングの規則案は、いくつかの制約を抱えたまま意見公募に向かうことになる。

まず、企業がクラウド(crowd)から調達できる資金は1年で100万ドルまで、となっている。また、年収20万ドル未満の者は、年収の一定率までの額しか投資できない。たとえば年収10万ドル未満の者は、その最大5%までまたは2000ドルまでしかクラウドファンディングできない〔10万ドルの人は5%==5000ドルではなく2000ドルまで〕。ただし現行案では、企業がクラウド投資家の収入を検証せよ、とはなっていない。しかしながらこの事案は、今度の意見公募における意見聴取案件の一つとなっている。

また、すべてのクラウドファンディング投資はCircleUpのようなクラウドファンディングポータル上で公開登録されなければならない。外国のクラウドファンディングポータルは、事前にSECの検査を受けなければならない。企業は投資家たち全員の正確なリストを記帳しなければならない。

【中略】

クラウドファンディングはママパパ投資家たちに危害を及ぼすこともありえる。だから、今回の規則案は制約を設けている。しかし実際には、クラウドファンディングが最大の危害を与えるのは、粗悪なベンチャーキャピタリスト(VC)に対してだ。この規則が成立すれば、スタートアップはそういうお粗末なVCたちにペコペコして物乞いならぬ金乞いをしなくてもすむようになる。これまでの身内だけと違って、一般勧誘ができる。そして誰でも(無認可の投資家でも)クラウドファンディングできる。この二項があることによって、スタートアップは自分たちのビジョンへの投資を、万人に求めることができるのだ。

以下はSECの規則案の全文だ:

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))