ヴィーガン(Vegan、完全菜食主義者)のための食材をネットで売っているMylk GuysのCEOであるGaurav Maken(ガウラヴ・マケン)氏は、自分の会社を食べ物を買うだけの場所とは考えていない。スタートアップの起業家たちも、また既存の食品企業も、植物を使った食肉代替食品を探求し始めている今日のご時世の中では、次々と新しい健康食品が生まれてくるだろうから、同社はそれらのための試験場や、良い品物が生まれるためのプラットホームでありたい、と彼は考えている。
このたび、Khosla VenturesやPear Ventures、Fifty Yearsなど、そのビジョンに共感する投資家たちが、同社に250万ドル(約2億7000万円)を投資した。
マケン氏は曰く、「うちの現状は、オンラインのグロサリーストアだ。しかしそのほかに、増大する地球の人口のために食品の生産能力を拡大する細胞培養肉や、遺伝子組み換え食品も今後は扱っていきたい」。
マケン氏は、植物を使った食肉代替食品などよりも、顧客の持続可能な消費生活を支えるような製品を扱っていきたいと考えている。彼によると、実は同社の顧客の40%はヴィーガンではない。
同氏は「ヴィーガンのことだけを考えているのではない。むしろ考えているのは、持続可能な食品システムだ。うちの顧客は教育水準の高い消費者が多く、自分の食生活から悪い影響を受けたくない、と願っている。むしろ、食べることによってより健康にないたい、と思っている」とコメントしている。
現在扱っている製品はおよそ1300種類で、サプライヤーには顧客に関するデータ、どういう人たちか、好みや要望などを積極的に提供している。その点が、Amazonなどそのほかのオンラインリテイラーとの大きな違いだ。
マケン氏は「我々はアナリティクスを提供し、顧客データからの学び方を教えている。食品提供企業も、そろそろ、顧客ひとり1人に個人化されたビジネスを開拓すべきだからだ」と語る。
同社のトップセラーは、Sparrow Camembertのようなヴィーガンチーズや、一連のヴィーガンジャーキー、それにBeyondバーガーなどだ。
「ヴィーガン向けのようなニッチな食材でも、全国的な流通のためのプラットホームがあればそれを年商100万ドルや500万ドルのブランドに育てることができる。うちは、そのためのプラットホームでもある」とマケン氏は言う。
Mylk Guysは2018にローンチしてY Combinatorのアクセラレーター事業に参加した。今回得られた資金は、イーストコーストにおける営業とマーケティングの拡大に充て、とくに東部地区のための流通倉庫を確保したい、という。
持続可能な食品を消費者に直販するビジネスモデルは、ロサンゼルスに先例がある。2016年に1億1100万ドルを調達したThrive Marketは、持続可能な製品にフォーカスしたオンラインのグロサリーストアだ。
最近の報道が示しているように、持続可能なフードビジネスは今や成長業種だ。Ecovia Intelligenceの記事によると、Environmental Leaderの調査では有機食品の売上が2018年に初めて1000億ドルを突破した。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)