Teslaの謎めくライバル、Faraday Futureを支えるのは中国版NetflixのLeTV

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カリフォルニア州ガーデナに拠点を置く謎の電気自動車会社、Faraday Futureの背後に誰がいるかについて、様々な臆測が飛び交っている。Appleの電気自動車プロジェクトの仮の姿だと信じる向きもあるが、それはありそうにない。より確度の高い兆候が、中国のテクノロジー企業、LeTVによる支援を示している。

まず、LeTVの会長、Ja Yuetingは自身のWeibo認証済みページで、Appleをヒトラーと比較したことがある。また複数のメディアが、Jiaは昨年Teslaに対抗する電気自動車を製造するためのライセンス取得を試みたと報じている。

「これはわれわれの夢と情熱だ」とJiaは2014年、Bloombergに電動自動車の開発計画について話した。「中国の空を見上げれば、思慮深い市民なら誰でも何とかしたいと思う。これは真実だ」。

報道によると、中国のこの億万長者は、今春自身が保有するLeTV株12億ドルを現金化し、会社に貸し戻した。これは新たな電気自動車プロジェクトの資金を賄うためだとされている。

当時は、LeTVが「手頃価格の」インターネット接続スマート自動車を中国で作ろうとしていると考えられていた。北京拠点の同社は、以来数々の才能あるエンジニアをTeslaをはじめとする米国自動車会社から引き抜いた ― そしてLeTVは米国での自動車製造を準備しているらしい。

TechCrunchは、Colliersの市場レポートが、2014年にLeTV ENV, Inc.をガーデナ本社の購入者として記載していることを発見した。

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さらに調査した結果、中国の映画監督、Chaoying DengをFaradayのCEOとする記録も見つかった。LinkedInによると、DengはLeTVの子会社、Le Vision Picturesの映画監督である。同サイトの “People Also Viewed”[ここを見た人はこちらも]をざっと見たところ、Zapple New Energy Vehicle Companyのゼネラルマネージャー、Tony Nieの名前があった。

Zapple New Energy Vehicle Companyは、LeTVのFaraday Futureの別名である可能性がある。なぜなら、Faradayがガーデナに建設中の12万4000平方フィート(1万1500平米)の本社ビルの購入者に、LeTV ENV(Energy New Vehicle。New Energy Vehicleの間違いかもしれない)の名前があるからだ。

Zoom Infoにも、Nieがガーデナを住所とするFaraday Futureで「上級副社長」を務めていると書かれている。

Faraday Futureの背後に中国テクノロジー複合企業が控えているという数多くの証拠が公開資料から見てとれる。しかし、このFaradayこあやふやさは何なのか? それは、同社の自動車販売計画に関係しているかもしれない。

この件に詳しい情報筋によると、Faraday Futureは米国に拠点を置くTeslaのライバルとして見られる必要があると言う。「中国人は中国製品を買いたがらない」と情報筋はTechCrunchに伝えた。

しかし、経営には不安な前兆も見られる。Faraday FutureはTeslaのモデルSに対抗する車を2016年に発売しようと計画している。価格は10万ドル以上だと言われている(TeslaはModel Sの価格を7万ドルに設定している)。ある筋によると、一部の社員はこの高い価格や会社の方向性に不満を持っている。

中国は広く開放された市場であり、多くの米国企業が進出に興味を示している。しかし、6桁の価格は中国市場にとって受け入れ難い。実際米国市場でも、Model Sの価格でさえ難しい。

現行の計画を巡って、何人かの重要人物が会社を去ったらしい。Faraday Futureの広報責任者、Marcus Nelsonは9月に同社を静かに離れた。Neslonは今日Medium に、なぜ会社を去ったかの説明(というより黒塗りされた説明)を書いた。

「私が言いたいのは、同じようなチャンスのある会社で働くのは素晴らしいということ」とNelsonは書いた

本誌はFaraday Futureに、価格および社内問題の可能性について質問しているが、返答はまだない。情報が入り次題続報する予定。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook