再起を目指すEVスタートアップFaraday FutureはSPACを通じた上場を計画する

複雑な過去を持つ、電気自動車のスタートアップFaraday Futureが、特別買収目的会社(SPAC)を通じての上場を計画している。

同社のCEOであるCarsten Breitfeld(カルステン・ブライトフェルド)氏がロイター通信に語ったところによると、同社は現在、SPACとの逆合併に取り組んでおり、「早い時期に良い展望を発表できるだろう」という。

ブライトフェルド氏は中国のEVスタートアップであるBytonの共同創業者で、現在のFaradayの交渉相手や契約締結の時期については何も話さなかった。TechCrunchがコンタクトしたFaraday Futureの広報担当者も、今は詳細を明かせないと述べている。

SPACはブランクチェックカンパニー(白紙小切手企業)で、IPOで資金を調達するために創立され、その資金で他の企業を合併または買収する。最近SPACはテクノロジー企業界隈で人気がある。それは、多くの企業がパンデミックのためIPOが計画より遅れているからだ。SPACはまた、従来的なIPOを取り巻く規制の問題に、それらに代わるものを提示する。

2019年にCEOに任命されたブライトフェルド氏はAutomotive News誌に、Fraday Futureは2020年の第1四半期までに8億5000万ドル(約898億円)の資金を調達したい、と述べている。当時の同社はすでに、Birch Lake Associatesが率いるラウンドで2億2500万ドル(約238億円)のつなぎ資金を受け取っていた(未訳記事)。資金の目的は、Faradayのフラグシップモデルであるラグジュアリー電動SUV、FF91をついにデビューさせることだ。

そのSPACとの契約のタイムラインはまだ公表されていないが、ブライトフェルド氏はロイターに、Faraday Futureは初めての電動ラグジュアリーSUVであるFF91の量産を、資金を確保次第開始する計画だと語っている。それは2015年に創業された同社の大きな節目となるが、その量産モデルは未だに生産されていない。プロトタイプはいくつか作られており、そのうちの1台は2020年8月にオークションに出品されている。

ロイターへの談話の中でブライトフェルド氏は、契約がうまく行けばFF91を最初はカリフォルニア州ハンフォードの工場で生産するが、すでに合意に達しているアジアの契約生産者との話も進んでいる、と話している。

Faraday Futureの財務問題は2017年にさかのぼる(未訳記事)。その際は同社と密接な仲だった中国のテクノロジー企業であるLeEcoが、それ自身の複数の財務的トラブルを処理し始めた(未訳記事)。しかしそれらの問題は、Faraday Futureが2018年に同社の主な支援者だったEvergrande Healthbeganに振られたときにさらに悪化した(未訳記事)。

問題の多くは、LeEcoとFaraday Futureの創業者で元CEOのJia Yueting(ジア・ユエティン)氏と関連していた。彼は2020年初めに個人破産を申請した(The Verge記事)。申請文書は、ジア氏の自己破産費用をFaraday Futureの主要持株会社の1つであるPacific Technologyが出していたことを明らかにしていた。さらにその文書は、Faraday Futureのキャッシュが2019年7月末でわずか680万ドル(約7億1800万円)であることも、明らかにしていた。

ブライトフェルド氏はロイターに対して、現在、ジア氏はFaraday Futureの株をまったく所有していないと語っている。ジア氏の破産が認められ、Faraday Futureはもう一度、同社の電動車を生産するための投資を求めることになったが、現状それは、SPACとの契約の成功にかかっている。ブライトフェルド氏は、Faraday Futureの過去が問われることを覚悟している。「同社の経歴と時々流れる悪いニュースのために、誰も私たちを本当に信用しているわけではない。彼らは、安定した企業になった私たちを見たいのだ」と同氏はロイターに語っている。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Faraday Future合併SPAC

画像クレジット:FREDERIC J. BROWN/AFP / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa