サプライチェーンから中間を排除――オンラインで農家から直接作物を購入できるFarmdropが900万ドル調達

農家にフレンドリーなオンライン食料品プラットフォームのFarmdropは米国時間23日、シリーズAで700万イギリスポンド(約900万ドル)を調達したと発表した。本調達ラウンドをリードしたのは、Skype共同創業者のNiklas Zennström氏が設立したAtomicoだ。

Farmdropは元々、「クリックして取りに行く」タイプのサービスだった。オンラインで農家から作物を購入し、地域に設置された受け取りポイントまで商品を取りに行くというものだ。同社はその後、ドアツードアのデリバリーサービスへとピボットした。しかし、スーパーマーケットなどの中間を排除するというアイデアは同じだ。

「この業界の根本的な問題は、過去50年間にわたり独占的な力を持つスーパーマーケットが農家に圧力をかけ、仕入れ価格を大幅に下げていることです」とFarmdrop共同創業者のBen Pugh氏は語る。「そのような状況では、農家に残された道は1つしかありません。収穫高と作物の丈夫さへの過度なフォーカスです。これにより、作物の味と栄養価が大きく損なわれることになります」。

その問題を解決するため、Farmdropはサプライチェーンからホールセーラーとリテーラーを排除した(もしくは置き換えた)と主張している。これにより、従来と比べて2倍の収入を農家に与えることができる。私が聞いたところによれば、Farmdropを利用した農家は最終販売価格の約75%を受け取っているそうだ。それに比べ、Pugh氏によれば、スーパーマーケットを介したサプライチェーンを利用した場合、農家が最終販売価格の50%を受け取れればラッキーだという。

「基本的に、Farmdropは作物の味と栄養価を最大化させることに集中する小規模農家に、利益率の高い販売ルートを提供しています。一方の顧客には、ファーマーズマーケットで買うような新鮮な作物を安価に購入できる方法を提供しています」と彼は語る。

Farmdropは今回調達した資金を利用して、カスタマーエクスペリエンスの向上と農家自身が在庫を管理できる新しいツールの開発を目指すと話している。また、同社はロンドン郊外に流通ハブを随時建設していく予定で、2017年にはブリストルに新しい流通ハブが誕生する予定だ。Farmdropによれば、今年はじめには同社の年間売上高が300万ポンド(約400万ドル)に到達したという。

AtomicoのZennström氏は今回の出資について以下のようにコメントしている:

「Atomicoが好む出資先は、地球上に存在する大きな課題を解決する意志のある企業です。だからこそ、私たちがFarmdropの第2調達ラウンドをリードできたことを非常に嬉しく思います。彼らは、イノベーティブなテクノロジーによって食料品のサプライチェーンを単純化し、ローカルの農家がサステイナブルな形で供給する食料への需要に応えています」。

本調達ラウンドにはAtomicoの他にも、SwiftKey共同創業者兼CEOのJon Reynolds氏、Zoopla創業者のAlex Chesterman氏、連続起業家でSaracens Rugbyクラブの会長でもあるNigel Wray氏、Asos共同創業者のQuentin Griffiths氏などが参加している。

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(翻訳:木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter