「ドローン」や「宇宙開発」などテーマ別に投資できる資産運用サービスFOLIOがベータローンチ

株式投資を始めたいと思っても、数ある銘柄からどれを選んだら良いか分からないという人も多いかもしれない。FOLIOでは、例えば「宇宙開発」や「VR」「eSports」「京都」と行ったテーマを用意していて、ユーザーは好きなテーマを選んで投資ができるサービスだ。FOLIOは本日ベータ版をローンチし、ベータ版登録を行なったユーザーから順次サービスに招待していく。

FOLIOではテーマごとに、テーマに関連する約10社の銘柄を揃えている。ユーザーはテーマを選ぶとテーマ内の企業に分散投資ができる仕組みだ。各テーマは10万円程度から購入できる。

テーマを購入した後は、ユーザー自身がリバランスや株式の売却といった運用をする必要がある。ただ投資未経験者でも気軽に投資を始められるよう、FOLIOではリバランスや売却するタイミングを通知する運用サポート機能も提供している。FOLIOでかかる費用は0.5%の取引手数料のみとなっている(1株あたりの最低売買手数料は50円)。

FOLIOのテーマ投資という特徴について、代表取締役CEOを務める甲斐真一郎氏「金融の世界にわくわく感を取り入れたい」と話す。例えば、トレンドに敏感な女子高生の間で流行っている物やサービスがテーマの「ガールズトレンド」や「第4次アニメブーム」といったユーザーが身近に感じるテーマを用意することで、投資未経験者でも投資に興味を持ち、資産運用を始めるきっかけを提供したいと考えている。

ベータ版では40〜50種類のテーマを用意しているそうだ。今後、一般公開に向けユーザーのフィードバックから機能をブラッシュアップし、世の中に流れに乗ったテーマなどを拡充していく予定と甲斐氏は言う。

FOLIOは2015年2月に設立し、2016年5月に3億円を調達した。FOLIOは2016年11月に開催したTechCrunch Tokyo 2016 スタートアップバトルのファイナリストに選ばれている。2017年2月には18億円の資金調達を実施している。

任せっきりじゃない個人資産運用を、「Folio」がシード資金で3億円を調達

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今年1月から招待制サービスを開始した「ウェルスナビ」や、2月に本サービスを開始した「THEO」などロボアドバイザーの市場が日本でも立ち上がり始めているが、こうしたロボアドバイザーとちょっと異なるアングルから個人の資産運用の課題を解決しようというスタートアップが「Folio」(フォリオ)だ。2015年12月創業のFolioは現在、年内のサービス開始へ向けて準備中で、本日DCMベンチャーズとDraper Nexusに対して総額3億円の第三者割当増資を実施したことを発表した。Folioは現在8人のスタッフがいてファイナンス系が3人、デザイナーが1人、エンジニアが4人。

社名が暗示するように、Folioはポートフォリオを選ぶことなどにフォーカスしたサービスを開発中だ。ロボアドバイザーは、ユーザーごとに異なるリスク許容度や収入、人生設計などを考慮に入れた国際分散投資を自動化してくれるサービスで、使い始めにポートフォリオを決めれば、後は10年とか20年という単位で長期運用をすることになる。一方、Folio創業者でCEOの甲斐真一郎氏は、そうした長期運用も1つの選択肢だとしながらも、もう少し個々人が資産運用に踏み込めるようなプラットフォームサービスを構築中で、自分たちはロボアドバイザーとは少し業種が異なると話す。

Folioではポートフォリオを「探す」ことも

実際、開発中のサービスをぼくは見せてもらったのだけど、Folioは「さがす」「まかせる」の2つに大きく分類されている。「任せる」というのがロボアドバイザーの部分。Folio上にはほかにもグリーンテックやドローン関連銘柄を集めたテーマ別ポートフォリオがあり、これをユーザーの専門性や趣味嗜好などからオススメしてくれるそうだ。ドローンの例なら凸版印刷、住友精密工業といったように関連事業に取り組む銘柄数十種が含まれていて、自分で銘柄の取捨選択もできるし、簡単に分散投資ができるそうだ。

中長期のトレンドに紐づくポートフォリオだけでなく、「アノマリー系」と呼ぶイベントに対応するようなポートフォリオもある。

Folioの甲斐CEOはゴールドマン・サックスやバークレイズで金利トレーディング、アルゴリズムトレーディングなどを経験してきた経緯がある。その甲斐CEOの問題意識は、証券会社と個人投資家の金融リテラシーのギャップを埋めること。「ロボアドバイザーは1つのツールでしかありません。投資を任せる以外にも選択肢はあるはず」という考えだそうだ。

「任せることだけでは国民の金融リテラシーは上がらないと思っています。われわれが問題だと思っているのは、投資プラットフォームと国民の間に大きなギャップがあることです」

「今のオンライン証券だと3500以上の銘柄、5000本以上の信託があって、自由に選んでくださいという風になっていますよね。でも、なかなか選べません。投資教育もしっかりしていません。投資プラットフォームと国民の金融リテラシー、この2つのギャップを埋めていきたいと思っています」。

情報過多の時代にPERやPBR、テクニカル分析など、あまり詳細な情報をプラットフォーム上で見えるようにすると、ユーザーが戸惑うとの考えから、定量的な判断はあえて消すなどの工夫もしているという。