「勝算は集客力」ヤフーがスマホゲーム参入

ヤフーがスマホゲームに参入することがわかった。同社の宮坂学社長が2月4日、2015年第3四半期の決算説明会で明らかにした。ヤフーは今年1月、インキュベイトファンドと共同で「GameBank株式会社」を設立。4月以降、スマートフォンやタブレット向けに、ミッドコアゲーム(カジュアルゲームよりも、やりこみ要素のあるゲーム)やコアゲームを投入していく。

メンバーはゲーム会社出身

開発体制は30人。メンバーのほとんどは、セガネットワークスやコーエーテクモゲームス、バンダイナムコ、スクウェア・エニックスといったゲーム会社出身。今後、1年で80人に増員する計画だ。

GameBank執行役員COOの椎野真光氏によれば、開発費は1タイトルあたり1〜2億円。四半期に1タイトルのペースで投入する。同時に、3〜5億円をかけて海外有力タイトルを日本展開することも視野に入れているという。

圧倒的な集客力でライトユーザー獲得へ

スマホゲームの勝算の鍵は「集客力」だ。ヤフーの月間ページビュー数は約605億PV。ヤフーのサービスを利用するために利用されたブラウザ数(ユーザー数とは異なる)は1日あたり約7600万ブラウザに上る。GameBankはテレビCMに加えて、ヤフーの圧倒的な集客力をフル活用すると、椎野氏は語る。

「コアなゲームはコアなユーザーがだけがプレイすると思いきや、一気にマス広告でライトなユーザーが入ってきたりする。ヤフーの送客を使って、初めてオンラインゲームをやるユーザーをどんどん引っ張りたい。インターネット上で最大のトラフィックを持つヤフーがスマホゲームに参入する勝算は、そこにある。」

なぜ今なのか

ところで、なぜ今なのか。宮坂氏は「前々からゲームを作りたかった」と前置きした上で、こう続けた。「これまではゲームメーカーと組んで『ヤバゲー(Yahoo!モバゲー)』を提供してきて、それなりの大きな規模に成長した。ゲームを作れる人材も増えたので、このタイミングでゲーム事業を切り出そうと考えた」。

なお、インキュベイトファンドはこれまで、Gumiやイストピカ、アクセルマークといったゲーム会社に投資してきた実績がある。新会社では「インキュベイトファンドが持つゲーム分野のアドバンテージをうまく事業にいかしながら進んでいきたい」と宮坂氏は語る。インキュベイトファンドが投資するゲーム会社との連携も検討するようだ。