組織に新しい従業員が加わる際には、単に「君、採用だ!」と伝えること以上の手続きが必要だ。とりあえず新人を会社のSlackに追加する。そして、彼らがちゃんと訓練を受けられるようにして、彼らに必要なハードウェアを届け、すべての内部ツールをセットアップしてもらい、すべてがスムースに行われていることを、定期的に確認する必要がある。また、従業員が去るときには、また別の手続きが必要となる。1年も前に退職した従業員が、ずっと会社の内部情報にアクセスできるままにはしたくはないだろう。
小さなチームが一度に1〜2人の採用をしている場合は、スプレッドシートで手続きを追跡するのは簡単だが、組織が急速に成長し始めると、スプレッドシートは迷路になってしまう可能性が高い。プロセスがより複雑になり、より多くの人が関与するようになると、ステップの省略が頻繁に行われるようになる。
Y Combinatorの2020年夏バッチの卒業生であるGatherは、こうした「ピープルオペレーションズ」タスク(旧来のHRタスクに、組織成長の要素を加味したもの)の自動化と合理化を支援するツールの開発を行っている。ツールはプロセスの各ステップがひと目でわかるビューを提供する。
Gatherは、ADPやGustoといったサービスの中の既存の従業員データベースを利用し、Slackを介してデータベースの情報や変更を、ワークフローやリマインダー、そしてタスクに変換する。
たとえば、新しい従業員が追加されると、オンボーディングワークフロー(新規採用者を組織の文化に馴染ませるためのさまざまな手続き)を開始する。例えば、マネージャーに初出勤日を通知し、セキュリティチームにはアカウントの設定が必要であることを知らせることができる。また「オンボーディングバディ」(新規採用者の初期の相談相手として振舞う人物)を設定し、新規採用者のスピードを上げるためのヒントをバディに送ることもできる。初出勤日後間もなく、システムは新規採用者に対して、さまざまなオリエンテーションドキュメントを読んだかどうかを確認するメッセージを送ることができる。従業員ごとのTo-Doの概要を、タイムラインスタイルで提供できるので、途中で省略されてしまったものがないかを確認することが可能になり、誰にリマインダーを送るべきかもわかる。
ヒレアリー氏が私に語ったところでは、そのプログラムの中で企業が成長するのを見て、彼らは「ピープルオペレーションズが如何に重要かを重要性を認識し始め」たのだ。「私たちのそれぞれの役割に対して、コミュニケーションや関係を拡大するために必要なツールキットが用意されています。たとえば、販売やマーケティングの場合には、CRMがあります。しかし、ピープルオペレーションズに関わる多くの人たちと対話を始めてわかったことは、彼らはそうしたものに相当する便利なツールを持っていないということでした。彼らはコミュニケーションと調整をスケールアップするために役立つものを持ち合わせていません、そしてそれこそが、企業が30人の時代の文化を、300人の文化へと拡大できない理由の1つなのです。世間のピープルオペレーションズチームは、その拡大を行うために必要なツールをただ持ち合わせていないのです」とヒリアリー氏は語った。
チームは現在、少数の企業の中でプライベートパイロットを実施している。Gatherの課金方法についてはまだ検討中だが、話しでは、従業員単位、月単位に請求することを検討しているようだ。興味を引かれただろうか?詳細はこちらから(Gatherサイト)参照できる。
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(翻訳:sako)